支援スキルを組み合わせたらどんなスキルよりも最強だった件

@doragonad

天界

「ここはどこだ?」


「気が付いたか。君は高柳竜也君で間違いないかな?」


「はい。そうです。失礼ですが貴方はどなたですか?」


竜也の目の前には優しそうな笑みを浮かべ不思議な空気を纏ったおじいさんが立っていた


「わしか? わしは君たち人間からは神と呼ばれておるの。君が死んで魂が天界へと昇って来たので呼び寄せたのじゃ」


竜也は自分が家族に見守られながら長い人生に幕を下ろした自覚はあったので、ここが天界で目の前の人物が神であることはすぐに納得した


「なぜ私は呼び寄せられたのですか? 悪いことをした覚えはないのですが」


「うむ。それはな、死んだ君の母親が息子に苦労を掛けた分、来世は幸せにしてやってほしいと頼んできたからじゃ」


「え? 母さんがですか?」


竜也は母子家庭で母親に早く楽にさせてやりたいと、スポーツ推薦での大学進学をあきらめ就職していたのだ。そして母親はそのことをとても申し訳なく思っていて、死ぬ間際でも謝っていた。



「そうじゃ。君のお母さんは今元気にわしの秘書をしてくれておる。神の秘書になるには、神と相性が合わなくてはいかんのじゃ。なので滅多にいなくての。とても助かっておる」


「そうですか。死んでるので変ですが、元気そうでよかったです」


「そうじゃな。君のお母さんの願いである、来世の幸せじゃが君には異世界に転生してもらう。ま、俗にいう異世界テンプレの世界じゃな」


「本当ですか!!」


竜也は異世界ラノベの大ファンで、お小遣いの大半を費やすほど大好きだった。嫁は呆れていたが変なことに使っているわけではないため、ほかっていた。


「あ、ああ。本当じゃ」


神はあまりのテンションにひいていた。


「スキルは支援系に限定させてもらうがいいかの?」


神は欲を出してだだをこねるか、認めるかで竜也に対する対応を変えようと思っていた。


「異世界に行けるのなら、構いません。それにどんなスキルでも使いようだと思いますので」


「ほう。さすが、あの人の子どもじゃ。支援系限定だと言えば、普通あばれて取り乱すから制圧に無駄な労力を使うのじゃがな。竜也君は違うの。皆竜也君みたいに素直ならいいのに、チート、ハーレムと要求がうるさいのじゃ。やつらに竜也君の爪の垢でも煎じてのませてやりたいぐらいじゃ」


この神はなぜか問題児に当たる確率が高いため、つい愚痴をこぼしていた


「ほめて下さりありがとうございます」


「うむ。さっそくスキルじゃが、竜也君のために最高の支援スキルを用意しよう。神の目と情報マーケットじゃ」


「それはどんなスキルですか?」


「神の目は鑑定の上位互換で、鑑定でもできる物や素材の鑑定、そして神の目でしかできない、スキル、スキルレベル、上限レベル、発現前のスキルがわかる」


「スキルは神の目でしか、見れねいようですが現地の人はどうしてるんですか?」


「教会にある貴重な魔道具か鑑定士が調べておる。だが、それでも上限レベルと、発現前のスキルはわからん」


「それて、とても大きなアドバンテージじゃないですか!!」


「そうじゃ。さすが竜也君わかっておるの」


「はい。会社でも優秀な人間に恵まれて社長になれましたからね。優秀な人材の重要性はわかっているつもりです」


「それはなによりじゃ。それで情報マーケットは、あらゆる世界の情報をお金を対価に購入できる」


「え? それってものすごいチートじゃないですか!」


「そうじゃ、先ほどのスキルと組み合わせれば最強じゃ」


神の目で最高の人材を発掘し育てて、情報マーケットで情報を買えば向こうで日本を上回る生活環境も簡単に手に入るし、戦う力が自分になくても戦闘兵器を作れば無双も可能だ。


「あ、でもお金稼げますかね?」


「そこは、大丈夫じゃ。特別に裕福な商家か裕福な貴族の家か選ばせてやるのじゃ」


「では、商家でお願いします」


竜也の答えは即答だった。


「いいのか? 貴族のほうが金はあるぞ?」


「ええ、貴族は派閥とかめんどうそうですから。それにこのスキルを使って少額の情報で商売して元手を増やせば問題ありませんから」


「確かにの。では転生させるぞ。あ、スキルの使い方はスキル名を唱えれば、頭の中に入ってくるようになっておるからの」






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