春の日―瑠璃と私の会話―
瑠璃
春の日―瑠璃と私の会話―
いい日ですね
ええ、本当に
そちらは天気ですか?
とてもいい天気です
そんないい日に眠っているのですか
はい、眠っているのです
私は今、自転車を漕いでいますよ
空は青いですか
はい、とても青いです
雲は何色ですか
白です。純白ですよ。
見て見たいな
見ているじゃありませんか
そのようですね
お久しぶりです、起きましたか
はい、目が覚めました。ありがとう
あなたはいいですね。私もそちらに行きたいです
あら、あなたは素敵な体を持っているじゃあありませんか
体はいらない時もあるのです
そうですね、こちらも素敵な世界ですからね
行きたいな。いいですね、あなたは自由で
あなたも自由ですよ。私が自由ならあなただって
自由ですよ。だからこそ苦しいのです。あなたの自由と私の自由は違いますよ
そうでしょうか
そうです
空はこんなにも青くて風は手で掴むことができるのに。ふたつの月はこんなにも美しいのに…そちらの自由は大変ですね
こちらの自由は責任が伴うのです
いつかいらっしゃいな
はい、時が来たら
楽しみにしています
私も
その時まで二人で歩いて行きましょう
そうですね
FIN
『思考の整理学』後ろの余白より 2017.3.11
春の日―瑠璃と私の会話― 瑠璃 @lapislazuli22
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます