第4話 雪山登山

 スキー場リフトの終点。

 この時期の山では珍しい晴天、無風。

「いい天気ですね」

「まあ、私が居るからね」

「はい、はい」


 ボードを担いで登っていく。

 しばらく登って一休み。

「流石BCボーダーキョウコ。年齢を感じさせない登りですね」

「一言多い。って言うか、若いんだからここからは先行しなさい」

「わかりました。がんばります」

「よし」



 あいつの後ろについて登り始める。

 踏み跡のない綺麗な雪面をかき分けながら登っていく。

 先頭で道を切り開いていくのはなかなかの重労働だ。

 この世界では私もまだまだ若輩者で前を歩かせてもらうことも多かったが、こうして後ろについて行くと、ふざけたあいつも頼もしく感じる。

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