出現
『急激な11年サイクルの大量コロナ質量放出が原因で、太陽は約1000年後以降から不安定な状態になり、赤色巨星に変異し始める』
中国宇宙科学院が警鐘を鳴らす・・・
2050年4月2日に流れ世界中大騒ぎになった。
ヨーロッパ連合やロシア連邦の宇宙科学機関は、太陽の変異は起こらないとする、研究データを発信し、米国宇宙科学アカデミーも研究データを公表した。
2日後、世界中のマスコミ各社が4月4日フェイクニュース特番を組んだ。
次いで中国宇宙科学院もフェイクニュースだったと発表し事態の収拾を図った。
その後、多くの世界中の人々は日常生活に戻っていった。
中国人民中央軍事委員会がすぐ動き、4月2日に中国宇宙科学院主任研究員の龍氏の投稿直後に全ての配信を削除し、国家極秘事項流出で龍氏は逮捕拘束された。
龍は中国宇宙科学院主任研究員を解任された直後に中国宇宙軍の火星開発担当研究員に移動の辞令が出た。
4月3日に酒泉宇宙センターから新型有人ロケット天問10号が火星コロニー宇宙港に向かう研究員の急な欠員が出た為、すぐに火星開発担当研究員に決まった。
龍は何も準備する暇なく拘束先から酒泉宇宙センターに向かうことになった。
龍はなぜか?身寄りがなく、いつからか?中国宇宙科学院研究員になっていた。
すぐに頭角を現し、主任研究員になっていた。
宇宙船に乗り込むことにもなぜか?こうなることが分かっていたようなとても不思議な感覚だった。
それにしても機体は凄く大きかった。
龍は他の乗組員の隣の席に着き安全ベルトを締めた。
しばらくすると発射カウントダウン90秒前に蜃気楼のような透明な反重力場シールドが機体を纏いやがて・・
(10秒前)シィー、ジィェー、バァー、チィー、リィォ、ウゥー、スー、サン、アー、イィー・・
ロケットエンジンは、赤い焔を吹き出し凄まじい爆音を轟かせた。
地球の大気圏を突破した天問10号は水素エンジンを切り離し機体に纏っていた透明な反重力場シールドを解除した。
漆黒の宇宙空間で、青白く猛烈に噴き出すプラズマエンジンを始動させて火星コロニー目指して、さらに猛烈なスピードで発進した。
漆黒の宇宙から見ると闇夜に美しく浮かび上がる地球があっという間に遠ざり、機体は漆黒の暗闇に包まれた。
地球は漆黒の暗闇に浮かぶ蒼く輝く宝石のようだった。
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