魔人兵士
リギル星軍地上部隊を200年ぶりに後退させた、要塞都市・パトゥーンの夜。
後方から爆走する大型車輛から龍は飛び退き、街路を不気味な大型荷物牽引車輛が龍をかすめて横切った。
龍の行き先を塞ぐように路肩にタイヤ痕を残し、急停車した。
運転席は真っ黒で薄気味悪い。
牽引車輛の後部、観音開きの扉がシューと開く、1回目開き終わるとガチャン!、シューと2回目の扉が開き終わるとガチャン!
3回目と進みやがて気味の悪い4枚目のグニャリと歪んだ扉が現れた。
4枚目の扉がギッ・ギッ・ギィ~と扉どおしが擦れる音がして中から大量の白い冷気がプシューと街路に漏れ流れた。
後部車輛内部は真っ暗で不気味だった。
やがて白い冷気の中から背中に沢山のホースに繋がれた状態で歩きながらホースが次々プシュ!プシュ!と勢いよく次々外れていく。
上半身が裸、腰から下は戦闘服姿で中から重低音バリトンを思わせる低い声で「ちょっとまてよ~」・・滑稽で不気味な冗談みたいな声が街中に響き渡る。
魔人兵士の声を聞くと凍りつき動けない。恐怖で見入ってしまう。
暗闇から魔人兵士はタラップに足を掛けた。
首だけを180°ぐるりと回して龍に顔を向けた。
龍「兵長!どうして??」
魔人兵士「おまえが龍だな?」
龍「あー・・」
魔人兵士「あいつは凍らせてあるよ」目元だけはブルース兵長だが腰から顔までドラゴンの皮膚、戦闘服から覗く足は俊足で空中も駆け抜けるスレイプニルに変わり果てていた。
街路に降り立ったと同時に龍に猛攻を仕掛けてきた。
見てから反応していては追いつけないスピードでパンチを繰り出す。
パンチは頬をギリギリかすめてボゥッ!音がして空を切る。
風圧で頬がヒリヒリした。
魔人兵士「やるじゃねーか」
龍「ブルースに何をした?!」龍はボディーに反撃の蹴りを繰り出す。
魔人兵士は後ろに猛烈なスピードで飛び退いた瞬間、龍はレーザーガンを咄嗟に胸に向け発射。
魔人兵士はレーザー光線の軌道を空中でサッと飛び避けると同時に更に空中で飛び、次の瞬間、龍のレーザーガンは魔人兵士に払い除けられ宙に飛んで行った。
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