「私の安穏を脅かす『姫』の猛攻に耐えられない!」

森里ほたる

第1話 燃え尽きるまで燃えてみせろ!

 その瞬間、かちりと私の中の"何か"がはまった事を確信した。それは、パズルのラストピースのような、外れていた核となる歯車のような、厳重に閉ざされていた扉のロックを開ける鍵を回す時のような。


 意識をしていなかったけど、もしかすると今までの私は不完全なものだったのかもしれない。 


 いや違う。今、この瞬間に私はこの世界に生まれてきたんだ。


 体は燃えるように熱いし、心臓がバクバクと跳ねて体から飛び出してしまいそう。足は何千、何万メートルでも走れそうで、空すらも飛べそうだ。


 じっとなんてしていられない。高揚感が溢れて、七宮君のためにならなんでもできる。その気持ちがおさまらない。


 ううん、そんなたくさんの言葉はいらない。もっと単純だ。


 私は七宮君のために動けることがすごく嬉しいんだ。


 私は私の全てを燃やして人生の使命を果たす!

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