神社 ~神様の約束~ (フリー台本)
あらすじ 参拝者と、そのお願いをとりあえず聞く神様
舞台 地方の神社
登場人物
美佐 :参拝者。 30才くらいの女性(男性でも可、その時は名前は自由に変更)
神様 :竜神・女性(年齢は自由)
AI神主 :性別、年齢、自由。しゃべり方は平坦に
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音 風にそよぐ木々の枝の音
鳥のさえずり
蝉の声(ちょっとうるさめに)
少し遠くで、手水で手を清める水音
石畳を近付くスニーカーの音
賽銭箱に小銭が落ちる音(硬貨三枚くらい)
大きくガラガラと鈴を鳴らすうるさい音
神様 :(寝ているのを起こされたように)
え?
なになに?
AI神主 :参拝者です。
音 パンパンと柏手を打つ音
神様 :あービックリした。
OK、カンヌシ
誰?
AI神主 :中村地区、屋号・
盆休みで帰省中。
美佐 :チケットが当たりますように!
チケットが当たりますように!
神様 :OK、カンヌシ。
チケットって何?
AI神主 :チケットとは、美佐が行きたいライブの入場券のこと。
超高倍率で、ここのところ外れ続けています。
美佐 :チケットが今度こそ、今度こそ!当たりますように!
お願いします!
当たりますように!(大きい声で数回繰り返す)
神様 :そんな、力一杯お願いされても。
私さ、水の神なの。
ここさ、貴船神社の末社だよ。
雨乞いならともかく、賭け事とか芸事とか範囲外なんだよねぇ。
美佐 :いや、神頼みっていうのもアレだよね。
チケット、当ててみせる!
チケット、当ててみせる!
(力強く)当たる!当たる!
チケット、絶対、当たる!
神様 :うん!
いい心構えだ。
欲しいものは、自分から取りに行かないとね。
そーいうところにこそ、「運」は舞い降りるってもんだよ。
OK、カンヌシ。
勝負事の担当部門に美佐のこと伝えてあげて。
AI神主 :かしこまりました。
美佐 :当たったら、お礼参りに来ます。
お賽銭も弾みます!
絶対当ててみせる!
神様見守っていてください!
よろしく!
神様 :うん。
わかった。
当たるといいよね。
音 石畳を遠ざかるスニーカーの音。
風の音
木々のざわめき
鳥のさえずり
雪を踏み締める足音
人々のざわめき
(ぼんやりと聞こえる新年の挨拶など)
ザワザワとした中で、何度も鳴らされる鈴の音・柏手の音、賽銭が落ちる音
神様 :(少し機械的な感じで)
はい、明けましておめでとう。
はい、好きになってくれますように。
はい、良い年になりますように。
はい、受験頑張ってね。
はい、いい人が見つかりますように。
はい、家内安全。
ふぅ。
OK、カンヌシ。
ちょっとお神酒ちょうだい。
喉が疲れちゃった。
AI神主 :
神様 :いいの!
お神酒な気分なの!
一年分の「お願い」受けて立ってるんだから、お神酒でも飲まないとやってられないわ。
音 ごくごくと液体を飲む音
鈴の音
柏手の音
美佐 :明けましておめでとうございます。
お盆の時はありがとうございました!
神様!
チケット!当たりました!
ありがとうございました。
約束通り、お賽銭弾みます。
神様 :あ、あの時の。
当たったんだ!
よかったねえ。
気合入ってたもんねぇ。
AI神主 :賽銭、一万円入りました。
神様 :あら、本当に弾んでくれた。
ありがとうね。
美佐 :でも…。(少し泣き声で)神様。
当たった公演、コロナで、中止になってしまって。
やっと、やっと当たったのに…。
でも、当たったらお礼参りするって約束したから。
神様、ありがとうございました!
来年また初詣にきます。
神様 :律儀ないい子だね。
水関係なら何とかしてあげられるんだけど。
担当外でごめんね。
OK、カンヌシ。
美佐のこと記憶しておいて。
AI神主 :かしこまりました。
記憶期限はいつまででしょうか?
神様 :美佐の願い事を一つ叶えるまで。
美佐の代で無理なら、その子孫もずっと有効よ。
何か水にまつわる願い事をしてくれるといいんだけどな。
音 人混みをかんじさせる音
鈴の音、柏手の音、賽銭が落ちる音
参拝者が願い事を呟く声
(健康でいられますように、とか
就活うまくいきますように、とか)
ぼんやり聞こえる新年の挨拶
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