第356話『これは威力偵察だ、いいね?』





 第三百五十六話『これは威力偵察だ、いいね?』





【登場人物】


【オナマリア・ホーケーオーケー】魔神夫人ぶにん。ヴァンパイアのフオウさんと同じ頃にジュダス帝国で保護されたダークエロフ。

 ゴリラの期待以上にエロフ。銀髪灼眼ロング。182cm。B90・U65のG65、Gカップ。美乳の先に咲く桜の花がゴリラを狂わせる。

 ヴェーダの教育により『お嬢様言葉』を使っているが生粋の奴隷人生を歩んで来た奴隷のプロである。

 本来の『奴隷根性』とは違う意味の『奴隷根性』を持つ稀有な存在で、たとえ他人が目を覆うような不遇を得ても、スキル【奴隷王女のガッツ:Lv255】を発動して逆境を乗り越える女傑。なお、王女ではない模様。小五ゴリラのパーティーメンバー。


【フェラデ・ドレイプ】魔神夫人ぶにん。オナマリアと同時に保護された元奴隷のダークエルフ。銀髪灼眼ショートカット。176cm、B88・U65のF65、Fカップ。

 自称『男』だが性自認なのか中二病なのか分からない。勝気な性格でゴリラ少年に勝負を挑むも少年の香り立つ若い陰茎に敗北。

 完敗を喫したが負けは認めず、ゴリラに何度も何度も挑んではアヘ顔ダブルピースで敗北しつつ、快感と幸福を得ながら失神するのがマイブーム敗北。

 しかし、回数を重ねるたびに一番気持ち良くなる体位と挿入方法を知って初勝利を確信し(意味不)、勝負相手の直樹少年を終生の伴侶ライバルとして認めてやってもいいぜっ、ったくよぉしょうがねぇなぁ、と考えている。小五ゴリラのパーティーメンバー。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 十一月一日、小五、間違えた、正午。


 林の宮殿周辺は快晴、しかし、宮殿内は快晴とは程遠い暗雲垂れ込む重苦しい雰囲気……


 その原因は分かっている、俺の冒険者パーティー入りした三人が昼食時の席を巡って牽制し合っているのだ。


 困ったな、少しばかり(約五千七百年)桃色空間でヤりすぎたか……


 い男の申し子たる俺への依存ラブが高くなり過ぎてしまった。


 常に俺の隣を確保しようとするクセが付いてしまったのだ。まったく、ベタベタされるのは嫌いなんだがな、ヤレヤレだぜ(困り顔


 しかし俺と隣接する席は両隣の二つしかない、三人のうち一人は正面に座って俺と向かい合いながら食事する事になる、これはこれで良いような気もするが、どうやら不満らしい。


 三人はジャンケンで席を決めようとするが『あいこ』の連発で決着が付かない。あれは運動神経と動体視力が良すぎる弊害だな。


 殴り合いなら一日いちじつの長が有るアイニィが有利、しかし武力決着は他の二人が認めない。


 話し合いだと口が達者なオナマリアが有利、当然だが他の二人が話し合いでの解決を拒否。


 男同士の友情度合いならどうだとフェラデ氏が二人にキリッと提案したが、その二人から『大丈夫? 病院行こ?』『少しお黙りなさいな』と一蹴された。フェラデ氏は口を尖らせて可愛かった。



 こんな感じで昼前から牽制を始めて三十分ほど経過、彼女達の努力もむなしく昼飯の時間になってしまった。


 俺はゴリラ用のクソデカいソファーで胡坐あぐらをかきつつ、コマン子と悪魔シスター『レズ・ビアンノ』にお世話されながら醜い争いをしている三人を見守っていた。


 この状況は、既に『俺の両隣は埋まっている』と言う意味でもあるが、三人は気付いていない。


 俺は苦笑しつつ、レズ・ビアンノが口元に運んでくれた『使用済みイチジク』をパクリと食べた……


 モグモグ……?? 少しビターな味だなぁ……

 小学五年生のゴリラ、略して小五リラはいぶかしんだ。


 そんなビターテイストフルーツを咀嚼していると、コマン子が三人を見て不思議そうな顔をして小首を傾げる。



「お父様に分神を出してもらえば良いのに」



 醜い争いをしていた三人は首を勢いよくグルンと回し、コマン子を凝視して動きを止めた後、視線を移して俺の顔をジッと見つめた。


 分神で良いなら幾らでも出せますが?


 成人したゴリラタイプと人間タイプを出してみた。


 その瞬間、スーパーダッシュでゴリラをさらうアイニィ、さすがに動きが頭一つ抜けている。


 続いて、オナマリアとフェラデが同時に動く、が……


 オナマリアが右脚を横へ出してフェラデがそれに足を引っ掛け見事に顔面ダイブ。


 オナマリアは成人直樹にジャンピング大しゅきホールドからのダイレクト接続をかまして捕獲完了。


 鼻を押さえながら立ち上がったフェラデ氏が涙目になって俺を見た。


 や、やめろ……眉を八の字にして頬を膨らませ、口を尖らせる美女ダークエロフによるキッズ仕草は俺に効く。


 俺は自分の太ももを叩き、フェラデ氏を手招きした。


 意味が解らないのか、フェラデがまたキョトンヅラを晒しながら小首を傾げる。


 アホな子は可愛いがメンドくせぇと思いつつ、俺の股座またぐらを指差して「座れ」と言った。


 自称ガチホ男子は目を輝かせて全裸になると、トタタタと小五リラに駆け寄り、天をかんばかりのフルボッキ陰茎を指差して「あ、甘えんじゃねぇぞっ!?」と意味不明な言葉を発しながら、とても良い笑顔で俺の股座に腰を下ろした。


 桃色空間での訓練がきたか、フェラデは狙い通りに小五リラのセクスカリバーをその温かいさやに収め「あ、間違アッーーー」と嬌声を上げた。


 その様子を見ていたアイニィとオナマリアは絶望した表情を浮かべる。


 まぁなぁ、圧倒的な神瘴気を垂れ流す本体と、その垂れ流した分より少ない神瘴気量を持つ分神じゃぁなぁ……



『抱きしめて愛を注いでくれる本物の熱い肉棒と、人畜有害物質入り上等で大量生産された安物のディルド以上に隔絶した違いが有ります』



 あ、ヴェーダさん、もう帰って来たんですか……



『いいえ、休憩中です』



 ……あ、一号が死んでいる。


 いや生きてるっ、一号は生きているっ!!

 でも『コ…シテ……ロ…シテょ』って言ってる、可哀そう。



『どうですか、その三人は?』



 それは俺との相性とか、彼女らの能力とか、総合的な感想を求めているのですね?



『そうね、お利口さん、タマタマチュッチュしてあげます』



 ンほぉぉぉ……す、すごく、くすぐったい、ですっ!!


 ウッ……ふぅ、そうだなぁ、桃色空間で稽古を付けたりして確認したところ、さすがに歴戦の古参眷属には劣るが、武道も魔法も良い感じに鍛えられていた。


 この惑星に於ける『強い』の度合いや認識がどの程度のモンか分からんけど……ウンコタウンの兵士を見た限りでは何の問題も無いように思うね。


 ゴリラ眷属は必ず物理耐性が付く、この子らは他の眷属と同様に進化後の耐性も【物理無効】になってるから、まず普通の物理攻撃じゃ死なない。


 火・土・金・闇の属性も効かない、他の属性も耐性は付いている、危険は少ないだろうなぁ。



『攻撃面はどうですか?』



 それこそ問題無いな。


 エルフ系なだけあって魔法は得意だが、それ以前にダークエルフ固有の【影沼】がなぁ……



『あぁ、なるほど』



 神に至る前の魔皇帝が使っていた【闇の湖】並みとは言わんが、それに近いと言える程度には強化されてるからなぁ……


 戦闘が面倒になれば眼前の敵を全部沈めればいい。

 危険や何かを感じたらすぐに自分達を沈めればいい。


 攻守に優れた支援スキルだよ【影沼】は。ウッ。



「こ、こらぁ~、ナオちゃん陛下っ、そんなに何回もお尻にピュッピュしたら駄目だろぉ~、パンパンになるじゃないかぁ~、アッ、アッ、な、舐めんなよぉ~、アッ、イク」



『腸内に【影沼】を作ればいいのに』



 草。



『ところで、この四人パーティーで決まりですか?』



 いいや、コマン子が付いて来るそうだ。悪魔シスターのレズ・ビアンノも僧侶枠で連れてく。


 コマン子は各地でダンジョンを創る時にコアっ子を産んで管理させたいらしい。イズアルナーギ様の強化コアは俺が食べればいいんだと、親孝行な子である。



『なるほど、それなりの計画は立てていたようですね。パーティーメンバーは了解しました、しかし、『アホに襲撃してもらう作戦』をもっと前倒しにして実行したいところです。あ、ごめんなさい小さなラージャ、ダーリンが起きました、それでは、私はこれで……ンもう、すぐイッちゃうんだから、次は私の番です、えいっ』


≪アッーーー……≫



 むごい……


 さ、さて、襲撃作戦を前倒しか……


 ふむ……そうだなぁ、もう少しエサをこうかね。


 その前に、せいやっ、ウッ、ふぅ……



「アッ、また出したなぁ~、まったくぅ、あっ、こ、こらぁ~、ナオちゃん陛下っ、オレとの勝負中に鼻毛を抜く余裕なんてぇンァッ、ご、ごめんなさいっ、突き上げないでっ、突き上げないでっ、え、我慢出来ないのかだって? で、出来らアッーーー……」



 おもろいなこの子。


 ファサ~……

 ファサ~……



 ありゃりゃ、褐色美女に囲まれていた所為せいか、アラビアンな感じの男の娘分神軍団が出来たぞ?


 まぁいいや、お行きなさいお前達っ!!


 アホを沢山釣って来るのですっ!!







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