第345話『安心しろ(無理』
第三百四十五話『安心しろ(無理』
【人物紹介】
【オッパイエ】魔神妃。豊穣の女神。豊穣三姉妹の長女。不可触神を母に持つゴリラが大暴れする地上を見て絶望、静観を決めるが、加護を与えた勇者の末裔がセパルトゥラの街に入った際、その目を通して様子を
【チッパイエ】魔神妃。豊穣の女神。豊穣三姉妹の三女。姉のオッパイエとその親友『戦神ムンジャジ』に説得されてゴリラに
【パイエ】イズアルナーギのミルクタンク。豊穣の女神。豊穣三姉妹の次女。加護を与えていた勇者がイズアルナーギに敗北した際、所持品を没収されたが、その中に有った『異次元袋』に手を突っ込んだイズアルナーギから引っ張り出された(意味不)。その後はイズアルナーギから片手間で調伏され、忠実なミルクタンクとして活躍中。実質は携帯ドリンク、物扱いである。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
十月二十八日、午前九時、名も知らぬ惑星の海底。
その海底をノシノシ歩くトロイのゴリラ。
深海生物や海底資源を調査探索しながらノンビリ過ごした三日間。場所が場所なだけに、今のところ文明を築ける生物からの襲撃や監視等、敵対的な行為は受けていない。
受けてはいないが、こちらから打撃を与えてはいる……
俺とは別行動の神々、大魔王さんやロキさん達が地上で活動出来る眷属(ほぼ悪魔)をこの惑星に送り込み、現地の人々にイケナイ事をしているようだ。
悪魔(ほぼエロ専)を送り込んだ先は俺が居る場所の向かい側、惑星の裏側にある大陸。
更に詳しく言えば、瘴気が溜まり易い歓楽街や治安の悪い場所に的を絞っている。
悪魔的にはそう言った場所が一番慣れており、何より楽しい。
おまけに、その地域も悪魔が活動し易い条件が揃っていた。
惑星アートマンでもそうだったが、『悪魔』と言う存在はどうやら珍しい概念の様である。
現時点でと但し書きが付くが、少なくとも悪魔達が降り立った地域の知的生物は『悪魔』の概念を持っていない。
よって、悪魔に関する対処法も存在しない。
悪魔祓いも無ければ滅する方法も無い、悪魔と
悪魔達が接触した知的生物は人型、地球と比べると平均的に体がデカい人間や亜人種だと思えば良いと報告が有ったが、そいつらは蝙蝠の羽を見せつつ様々な悪魔系スキルも披露したサキュバスを見てもまったく警戒せず、乱暴に捕らえて当然のように性奴隷として扱った。そいつらの末路は言わずもがな。
悪魔にとっては実に都合の良い攻略対象である。
とにかく、今のところ順調に堕落させて無意識の奴隷化は順調に進み、瘴気を撒き散らす馬鹿の数も増えているので、今後の悪魔活動も範囲を広げ更なる躍進を遂げると思われる。
実際、同じような手口で大魔王さんがエイフルニア大陸北部を掌握したからな、俺も傭兵の街セパルトゥラで似たような事してたし。
って、そうそう、そう言えば、そのセパルトゥラに在る傭兵ギルド、あそこは今マジで大忙しらしい。
……まぁ、原因は俺なんですけどね?
魔界から大量に移送した魔物がね、ほら、敵が居ないとね、増えるじゃん?
草食系は特にね、海以外はほぼ緑化しました的な惑星アートマンは
しかもその緑は豊穣姉妹の慈雨で瞬間再生されると言うね、草食系も腹がパンパンで『もう食えません、堪忍して下さい』と土下座して飽食を謝罪するレベルなわけでね?
そんな食べ頃のデブが居たらね、肉食系も『呼んだ?』ってね、呼んでねぇのにね、しゃしゃって来るわけでね? そいつらも『もう食えません、堪忍して下さい』って感じ?
そんな肉食デブが居たらね、傭兵も冒険者も『呼んだ?』ってね、遅せぇよってね、焦って来るわけでね? そいつらは『ハンターが足りません、堪忍して下さい』って泣き言的な感じをね?
そりゃまぁねぇ、草食も肉食もエサが減らんからねぇ、しかも魔界の生き物なもんで強いんだよね。
そいつらを討伐する傭兵や冒険者は殆ど俺の眷属か移民悪魔だけど、やっぱ
この魔物大繁殖で得られた利益や利点と言えば……惑星アートマンに住む眷属や悪魔達が次第に強くなっている事かな。住民全体が宇宙一の戦闘民族になりつつある。
ただ……最近は魔物が多すぎてバイオレンスな日々が延々と続いているので、大人し目の住民が【です☆すた】に引っ越すケースが増えている。
これは非常にマズい。
このままでは脳筋しか居ない悲しい惑星になってしまう。
神界のママさん井戸端会議で『お宅の惑星、脳筋しか居ないの? クスクス』とママンが笑われるかもしれない……っ!!
『笑ったママは即座に滅ぼされるでは?』
そうかもしれない、いや確かにそうだろう、しかし、笑われるのは別の話だ。
『アートマンを笑う者が居ないのでは?』
そうかもしれない、いや確かにそうだろう、しかし、最悪の事態を想定して
『その対策とは?』
馬鹿かお前は、そんなもの俺が考えているとでも?
今後、俺がセックス対策以外に頭を使う事は無い(キリッ
『なるほど……え、今後? 今までは頭を使っていたと?』
「え?」
『え?』
……どうやら、俺達は考え方や物事の
一番長い付き合いだと言うのに、悲しいな……
しょうがない、ここはいつもの様に俺のトンチが
『え?(困惑』
目を閉じて深く深呼吸……
スゥーハァー、スゥーハァー……
……何だろう、良い香りがするな?
美味しそうなコアの香り……
これはペニスを刺激する匂いだ……
「く、くぱぁ……えへへ、Tバックをズラしてからの、くぱぁ、あ、
クッ、オマン子っ、いつの間に……っ!!
いや惑わされるなマハトマ・ナオキっ、集中しろ!!
な、何かあるはずだ、ビビッと来る閃きが……
雑念を捨てろっ、心頭を滅却すればヒモ股ズラし(勃っ
「えとえと、それでは、お父様、朝の御奉仕をば……パクッ」
ッッ!! ンほぉぉぉ……ウッ。
……ふぅ、雑念は消えたっ!!
『それ賢者タイムでは?』
そして閃いた、完璧なプランを、な……
題して、『そっちにトンネル繋ぎました』作戦、だっ!!
『それ駄目なヤツでは?……ねぇ、聞いてる?』
よし、『俺』を惑星の裏側に派遣しよう。
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