第344話『父の背中を見るのです……っ』





 第三百四十四話『父の背中を見るのです……っ』





 十月二十五日、午前七時、『トロイのゴリラ』内、コアルーム。


 コレも宇宙の神秘だろうか、宇宙で産んだからこうなったのか、定かではないが私は動揺と困惑を禁じ得ない……



「お早う御座いますお父様、ハイこちらをどうぞ、強化コアで御座います、お召し上がり下さい。コアの仕事は全て引き継いでおります、ご心配無く。あ、お母様はもうお帰りになって結構ですので……え、帰りたくない? 転移させますね、ハイ、ご機嫌う。ふぅ、頭がアレな母親を持つと大変です。さぁお父様、強化コアをお召し上がりになったら、今度は……えへへ、あの、この私を、この『オマン子』をお召し上がり下さいませ……えへへ、言っちゃったっ!! たはは、言っちゃったぞぉ、攻め過ぎだぞオマン子~っ、ハシャぐなオマン子~っ、たはは、くぱぁ、なんつって、恥ずかしいっ、もっかい、くぱぁ……オマン子、恥ずか死ぃ―っ!!」


「……お、おう」



 娘から手渡された強化コアを持ち、変な緊張で立ちすくむ僕。一応、強化コアは食べる……モグモグゴックン、美味しすぎて草。


 はてさて困った……


 トロイのゴリラを管理するコアっ子を産んでもらおうと思い、深夜から朝までオマンと二人深く愛し合った、今日はいつもよりもオマンを可愛がった、それがいけなかったのか……


 性欲と嗜虐衝動に駆られ性宇宙セクモ大爆発な深すぎるゴリラの愛を神瘴気マシマシで注がれる形になったオマン。


 やがてアヘ顔ダブルピースで満身ヘブン状態になってしまったオマンは、最期のマンリキを振り絞って赤ん坊をポコンと出産、大魔神のコアたるおのが役目を見事に果たし職務をまっとう。三秒後に昇天。


 忠臣コアの鑑オマンから生まれたその赤ん坊は、他のコアっ子兄姉と同様に数秒で大人の姿へ。


 だが……成長したその姿はオマンと瓜二つだった。


 ハッキリ言ってほぼ双子、声は同じ、美しい体形も白い肌色も同じ、違いは髪の色と瞳の色だけ、オマンはどちらも水色だがこの『オマン子』と名乗るコア娘は俺に似た黒髪に黄金の瞳、どう考えても魔神ですありがとう御座いました。


 種族的にはコア魔神になるのだろうか、それともコアの神(邪悪)になるのだろうか、ただ、現時点で分かっているのは、この子は新しく生まれた神で、間違い無く普通のコアっ子ではない、と言う事だな。


 しかし……もっと重要なのは、『オマン子』と言う名前が有りか無しか、と言う事ではないだろうか?


 オマンの娘である事が一発で分かる名前は素晴らしいと思う。


 だがしかし、名前の最後を音訓のどちらで読むか……

 その答えによっては……眷属が割れるっ!!

 これもゴリラ的日本語教育の弊害か……っ!!


 ここは明言せずに静観が上策と見た……

 そう、答えはこの人外帝王が知っておれば良い……



『オマンですか、唐音読みとはまたマニアックですね』



 ど、どうした急にっ?



『不思議な気配がしましたので、研究を中断して見ていました。その子がメインコアになるなら、私がここの暫定マスターだと面倒な事になりそうですねぇ、ラージャをマスターにしておきます、それでは失礼』



 面倒になりそうってお前……


 まぁ確かに、あのファザコンっぷりを見ると……否定しきれんな。


 あ、今マスターになった。

 ほほぅ、なるほど、なるほどね……?


 イズアルナーギ様が面白半分で手を加えると、小さなダンジョンでもこうなるのか、なるほどなぁ(白目


 これは新しい宇宙なのでは?

 天体の無いゴリラ型新宇宙なのでは?



「あぁぁっ!! い、今っ、今お父様がこの『私が管理するダンジョンの』マスターに御就任遊ばしましたっ、アッチャ~、ヴェーダ様やっちゃった? 父娘おやこと承知でハプスブルクしちゃった? あ~ダメダメ、これ一心同体ですわ~っ、困りましたわ~っ、残念ながらこれはもう離れられませんわ~っ、お父様的に不本意ではあると存じますが分離出来ませんわ~っ、これ密接不可分と言うヤツですわ~っ、あちゃ~っ、父娘のきずなここに極まれりですわ~っ、ですがっ、敵陣に斬り込んだ我が帝国軍の現状をおもんぱかれば是非も無しっ、くなる上はお父様の神聖高貴なお情けを頂戴しっ、このオマン子めが宇宙せかい征服のいしずえとなる小悪魔コアくまっ子を産んで御覧に入れましょうっ、さぁお父様っ、あ、あの、ゆっくりお願いしますね? えへへ、えと、あの、くぱぁ……」


「…………」



 ちょっと何を言っているのか解らないが……


 取り敢えず、ここは思い切ってゼウスしようと思う。

 俺も神だ、娘とゼウスるくらいどうと言う事は無いっ!!


 って言うか、近くで見ても遠くから見ても、どの角度から見ても、少し言動に変化球が加わっただけのオマンにしか見えない……っ!!


 ハッキリ言ってしまえばっ、髪を黒に染めてイメチェンしつつ、少しキャラをイジって失敗した事に気付かないオマンにしか見えんのです……っ!!


 そんな娘がっ、この父のっ、人外帝王の眼前でっ、少し照れながら両手で『くぱぁ』と破廉恥極まりない行為を晒すなどっ、どうして赦す事が出来ようか(勃っ


 ……そんな不良娘に社会の厳しさを教えるのは親の責務っ、お、お仕置きするしかないじゃん?


 思い切ってゼウスするしかないじゃん?


 大丈夫、高天原もオリュンポスもハプスブルクってる。


 問題無い、そもそも俺の体はゼウス出来るように創られている。


 俺は虚空を見つめ、ゼウスボディにしてくれた偉大なる母に感謝した。物凄くチンサスされた。


 あふぅん、有~り難う~御座いまぁ~っす!!


 さて……


 くぱぁしたままじゃ娘も不安よな。

 ゴリパパ、動きます。


 開け、【性なる第七感セブンセックス】……



「なっ、お父様の性宇宙セクモが急激に上昇をっ!? クッ、これがダンジョンコア特効『射制力センズリック』所持者の実力だと言うのっ、何と言う『性圧力セクプレコントロール』っ!! 普通のコアなら『性宇宙依存患者セクスタリアート』まっしぐらね……っ」



 解説御苦労っ!!



「我が娘オマン子、父の聖根リンガで極楽を知れ」


「ッッ!! の、望むところっ!!」


天地あめつちを貫け【ゴルゴ・勃起宝輪】……」


「……ん? 何も起き……キャァァッ、なっ、そんな馬鹿なっ、お父様はあの場でっているだけなのにっ、ちょっ、ンギィッ、アッ、アッ、知らないっ、こんなの知らないっ、ンアァァァッ、イッぐぅぅぅぅ……」


「ここからが本番だ……いざ、参るっ!!」

「ッッ!! 待っ、お父様待っ……前戯無しっぐぅぅ!!」



 そしてその日、俺は生まれて初めてゼウスした。





『久しぶりにキたぁぁっ、しゅごいぃぃっ、でもっ、嗚呼ああっ、何て事なのっ、私には言えないっ、『貴方はもう何人もの娘とゼウス済みですが?』だなんて言えない……っ!!』


『『神々の常』』

『『是非に及ばず……あ、我がほとを勃起宝輪が』』


『『うっかり坊や、是非に及ばず』』

『『おっちょこちょい、困った子(笑顔』』


『アートマンの神界に住む天女は……今回も全滅で産休ね、また天女を募集しなきゃ。まったく、本当に困った人。あ、勃起宝輪が角度と向きを変えて下からえぐるような回転運動をっ……早くあの宝輪に飛び込まなきゃ(使命感』






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