第329話『ボク知ってゆ、知ってゆよ』





 第三百二十九話『ボク知ってゆ、知ってゆよ』





【人物紹介・名称説明】


【ゾロアスターシリーズ】ゴリラがダンジョンマスターとして得た『眷属適性・悪魔』の能力で召喚したゾロアスター教の神々、そのレプリカ。色々と改造したのでオリジナルよりは強い……が、アートマンの名を聞くと気絶する。ヴェーダにも頭が上がらない。


【ジャヒー】ゾロアスターシリーズの一体。長い黒髪の女悪魔、その魅惑的な褐色肌が大森林で育った野郎共の股間をイライラさせる。陰気だが全てがクッソエロい売春婦の支配者。婦人に月経の苦しみをあたえたとされる。旦那はコア息子『チョコボゥルムカイ』、父ゴリラに似てセクロスが大好きだ。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 十月十三日、午前十時、大森林は快晴。


 ゼウスに島流し(桃色)的な沙汰を下してから四日経った。


 今日はマハルシの帝王宮殿で会議だ。


 議題はズバリ『貿易』です、宇宙・神界貿易です。


 中央神界襲撃についての議論は……

 取り敢えず今日の議会次第ですな。


 俺はその会議に出席する為、誰よりも早く会議室に入って皆を待っている。帝王は仕事が無いから一人で待っているんだ。


 早く誰か来てくんねぇかなー。


 まぁ来る時は転移で一瞬だし手間も無いから、毎回みんな同じようなタイミングで集まりだす。


 今日は魔界の新領地からも来るらるらしいが、遅刻等の問題は無いだろう。


 我が国の支配者層に居る者は全てその領地にダンジョンを保有している。ダンジョン自体を拠点としている者も居る。


 しかも全員がコアっ子と結婚しているのでサポートは万全。


 ですので、惑星の裏側に在る領地へ太守として赴任していたとしても、俺かヴェーダの呼び出しで即座に指定ダンジョンへ転移出来る。


 その楽な転移機能のお蔭か、遠い任地から大森林に足繁く通う奴も多い。


 まぁ目当てはカンダハル郊外に在る色町、もしくはゾロアスターシリーズのジャヒーに任せた『旧魔竜のダンジョン』とそのサブダンジョンを改装して創った高級娼館街ダンジョン【吉原】と【秘密の花園】だ。


 太守達は自領にも色町や娼館は造ったらしいが、何か違うらしい。


 どういう事だと古参のゴブリンに聞いてみると『嬢の、何ちゅうか【プロ意識】の違いですわ』と言っていた。


 残念だが、俺はヴェーダから『娼館立ち入り禁止令』が出されているので、嬢のプロ意識なるモノが理解出来ない……っ!!



『元高級娼婦のフリンが毎日ラージャにやっている事を申しているのでは?』



 え、気付かないうちにシャブられてるって事?


 考え事してたらいつの間にか数発抜かれてるあの神業かみわざの事?


 それとも……気付いたられてるあの新感覚の事?

 早朝に旭日を拝んでいたら局部を見ていた謎の現象の事?


 だったらそりゃぁお前、プロだよ、達人。


 なるほどなぁ~……ふむふむ。

 アレを味わったら普通のサービスゥゥゥンッほぉっ!!


 ば、馬鹿なっ、お前はフリンっ!!!!


 会議室の上座に位置する帝王の玉座に座る俺のペニスをいつの間にっ!!


 玉座と言っても我が国は車座になって床に腰を下ろすスタイルなので、椅子ではなく大きなクッションや座椅子・座布団等を使う、そして今の俺はゴリラ専用フワモコ筋斗雲に乗って胡坐あぐらをかいている状況だった……それが裏目にっ!!


 まさか筋斗雲の下にもぐって股の間から頭だけ出すとは……っ!!


 これが、プロフェッショナル……っ!!



『でもそれラージャが筋斗雲に指示してフリンの雲内通過を許可したり、頭だけ出ているフリンの為にズボンを下げたりしなきゃ駄目ですよね? そもそも何で今日は筋斗雲に? まぁ全部見聞きしていたのでアホな遊びだと知っているんですけど』



 ……お察しの通り、これは私とフリンのちょっとした遊びであります。


 正直、私は会議が苦手であります、退屈で勃起する以外ないほどヒマなのであります……っ!!


 大森林の南部をやっと統一した頃の会議は違った……そう、楽しかった。


 妖蜂姉妹にイタズラしたり、妖蟻姉妹にニャンニャン未遂したり、護衛の子やお世話係の子に下衆な視線を向けてはずかしめつつ蟲腹をソフトタッチして『だ、駄目ですぅ……イヤン』とか言わせたり……っ!!


 それが……今はその初々ういういしさが無い……っ!!

 俺のお手付きしか居ないっ!!



『まぁ、成人した妖蜂と妖蟻の宮仕えはほぼ全て妊娠しましたし、現在はイズアルナーギの妊婦空間に居ますからね。なるほど確かに、落ち着きの無いお子様ラージャは大人の会議に参加出来ず、さぞおヒマでしょう』



 ……へぇ、言うじゃないの。


 オッケー。


 小ぃちゃな頃からマセガキで、十五で不倫?と言われたよ?


 内府みたいに尖ってる?

 三条さんじょう実美さねとみ? 傷付いた……


 嗚呼ああっ!!

(笑)って書くなと言わないが、そんなに俺が(笑)なのか?


 ララベル、ララベル、トゥルルルル……

 お袋はパートっ、俺ニート……



『ご、ごめんなさいラージャ、冗談ですよ、冗談、貴方はダンディーな紳士、立派な大人です、だから落ち着いて、ね?(汗』



 ッッ!!


 ハァハァ、大丈夫だ、俺は大人なので落ち着いている。


 少し心が張り裂けそうになったが大人なので耐えた、問題無い。


 無論、会議だって静かに聞ける、大人だからな……っ!!



『そ、そうね、ラージャが大人で私も嬉しいです』



 ふふっ、よせよ、アダルトな事してしまうぜ?



『えっと、何をするの?』



 へへへ、会議室に集まる皆の様子を覗くのさっ!!


 覗き対象のお勧めはジャキだなっ!!

 きっと手下を大勢連れながらドヤ顔で転移して来るぜ?


 えへへ、な?

 面白そうだろ?



『そ、そうね、楽しそう』


『『思考が幼くて良き』』

『『何故あれほど可愛いのか?』』




 さぁて、最初に転移して来るのは誰だぁ~?

 おっと、あれは……え、誰?



『蠅王ベルゼブブですね、人化してますが』



 草。

 って、ズコーーーッ!!


 ボク知ってゆ、その魔王知ってゆ……






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