第290話「女神強化始めました」





 第二百九十話『女神強化始めました』





 九月三日、朝食後、帝王宮謁見の間。


 大森林は大雨続いているので、眷属の多くがダンジョンで楽しく過ごしているが、俺が玉座に座って会話しているのは三年寝太郎ナナメニ爺。あまり楽しくないです。



「主様よぉ……」


「……何だ?」


「オラはセックスが好きだ」


「……そうか」


「肉と肉が音を上げてぶつかり合う激しいセックスが好きだ、滝の様に汗を流し息を切らせながらヤる必死なセックスが好きだ、三日三晩飲まず食わずの断食セックスは野生的なセックスが出来て好きだ、早朝の薄暗い大森林で朝練の男衆にバレない様にヤるセックスが好きだ、オラのような不細工のイチモツで鳴く女とのセックスが大好きなんだ、それから――」



 終始この有り様だ……参った。


 このエロ爺ィはかなり性欲が強い、ゾロアスターシリーズの長城太守アエーシュマ並みにセックスが大好きだ。


 なるほど、連日の娼館通いに納得がいく。


 ナナメニ爺はずいぶん前に嫁さんを亡くしている、以来独身を通していた。って言うか、さらって来た若い女性ゴブリンをめとっても、この尋常ではない性欲のせいで嫁が発狂して逃げるらしい。


 無くなった嫁さんの死因が気になるところである。


 それはさて置き、このエロガッパの色欲生活をある程度制御する必要が出た。このままでは領地を任せるに足るとは言えん、いささか不安が残る。


 王女であるコア娘はエロ爺の制御役として適任。是非結婚してもらいたい。


 オマンが今朝けさ産んだ女の子はデカかった。まさに小さなアングルママ、爺ィの好みド真ん中だ。


 ユルく波打った金髪も攻撃的な爆乳もアングルママにそっくり、顔も幼いアングルママな感じ。全裸開脚やキノコ狩りや寝取られ等はマネしなくて良い、いいね?


 彼女の名前は『アングルボボ』、九州人が苦笑する名前だが色白の美女だ。


 この子の容姿を見て俺は確信した、ボボちゃんはナナメニ爺にクリティカルヒットするぞ、と、


 そう思ったので、ひと先ずボボちゃんに爺ィのプロフィール映像を見せた。嫌なら断って欲しいからな、政略結婚を望む俺が言うのも何だが、結婚の無理強いは嫌いなんだぜっ!!


 しかし、俺のワガママに嫌とは言わずボボちゃんは微笑んで頷いた、優しい子である。


 そんなボボちゃんと今後の話をしていたところ、ヴェーダがヨトゥンヘイムから爺ィの第二夫人候補を連れて来た。


 アングルママの紹介で来た娘らしいが……デカい、デカすぎて草。


 彼女は何もかもデカかった。

 その名も『マングロボザ』ちゃん。キワドイ名前だ。


 ヨトゥンヘイム基準で言うと『チビ』だと言うが、それでも小型化していない大猩々の俺くらいデカい、身長50mは有る。


 取り敢えず、出来る限り小さくなってもらった。

 まぁそれでも4mは有るし全裸なので色々ヤベェ。


 ちなみにボボちゃんは3mと少し、立派な肢体をお持ちです。



 そんな感じの巨躯きょく娘二人をマハルシの帝王宮に招き入れたのが朝食前、マングロちゃんは魔界の巨人で悪魔と同義、つまり地上での行動に制限が掛かるが、ガンダーラが支配したダンジョン内では瘴気が満ちているので問題無い。


 二人を嫁さんズや子供達に紹介して一緒に朝食を摂った。


 楽しい朝食も終わり、俺は巨躯娘達を連れ謁見の間に入る。昨日のうちにヴェーダが爺ィに結婚話を伝えておいたので、今から呼ぶぞと念話を送り問答無用で爺ィを転移召喚した。


 爺ィは横になってセンズリぶっこき状態で召喚された。

 俺の護衛侍女達が爺ィを袋叩きにした、反省しろ爺ィ。

 袋叩きに巨躯娘の二人が参加していたのはナイショだ。


 ボロ雑巾になったエロ爺ィを甲斐甲斐しく治療する巨躯娘の二人、ここまでドストレートなマッチポンプは初めて見た。


 好みの巨躯娘二人を間近に見て赤面する爺ィに俺の血管が切れそうになるが耐える。


 爺ィが俺に『も、もしかしてこの娘達が?』と期待の視線を送ってきたので頷く。爺ィの股間が盛り上がった。恥ずかしい奴だと思った。



『ラージャも彼と変わらないんですが……』



 ヴェーダが酷い事を言って傷付いた。

 人前で二度と勃起しない、そう誓った。


 残念な事に厠番の子が悪い事をして誓いは守れなかった。


 俺は悪い事をする厠番の娘に失望した感じで溜息を吐きつつ白因子も吐き出した。ふぅ……


 まったく、最近の厠番は風紀が乱れている。断腸の思いで悪い子を叱る事にした。


 誓いを破らせる不届きな厠番はフリンだった。知ってた。


 気を取り直し爺ィの返事を待つ。


 鼻の下を伸ばしたエロ爺ィは気色悪いキメ顔で俺に頷き、『オラはセックスが好きだ』と語り始めた。


 その『エロ好き話』が延々と続いている。

 結婚するのかせんのかハッキリしろクソ爺ィ。



『キメ顔の首肯でラージャに承諾を伝えたのでしょう、察してあげて?』



 じゃぁもうマハルシ内に在る自宅に帰ってもらって……

 って言うか巨躯妻用にデケェ豪邸に造り替えてあげて……


 俺はもう神域で寝る、疲れた。



『畏まりました。ナナメニの新婚休暇は明日から四日間、山脈ダンジョン北部近郊攻めは休暇後からと伝えておきます』



 頼むぜ……あ、爺ィに結婚祝いをやっとくか。


 ハイジェネラルになっても3m超えん身長じゃぁ巨躯妻と楽しめんだろ、ほ~れ、生気注入~っ!!



「そしてオラは舐め合うのも好アッーーーっ!! 主様何をアッーー……」



 うむ、爺ィの体がモコモコして骨がきしむ音がする、体の造りが変わっちゃった感じだが大きくなったので問題無いっ!!


 巨躯娘の二人にはFP産の美容グッズと何か珍し品々を……ヨシ!!


 それでは新婚さん、出撃する日まで楽しんでくれたまえ!!



『ラージャ、神域へ行くのは構いませんが、娶った女神達の扱いは平等に願います。先日、太陽と月の女神姉妹が泣いておりましたよ』



 え、神界の中心で愛を叫ばされたばかりなんですが……



『あの姉妹も運命と幸運の姉妹も四大元素姉妹も、圧倒的にご寵愛を頂いた数が足りません』



 それは君とか一部の嫁さんの回数が異常に多いだけでは……



『桃色空間に行ってどうぞ』



 えっと、合計八柱を相手にするんですね……

 これはまた兆年行っちゃう感じですかな?


 でもまぁ、不満が有ってそれを解消出来る方法が有るなら、ヤるしかねぇな!!


 よっしゃ、マーラニキ仕込みの分神男根が火を噴くぜっ!!

 何なら新技開発もしちゃう感じなんだぜっ!!



『うふふ、期待しています(ニヤリ)』



 任せろっ、嫁は泣かさねぇ主義なんだ。

 じゃぁな、イッて来るぜ!!







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