春風は暖かく、優しい!

一ノ瀬 彩音

第1話 壱

春風は暖かく、優しい

その風に揺られるように私は歩く

そして、出会いと別れの季節がやってきた

新しい出会いに期待を膨らませながら

桜の花びらが舞い散る中を歩いていく

すると……一人の男の子が私の前に現れたんだ

彼は私の事をジッと見つめていた

その視線は優しく、温かいものだった

まるで春の日差しのように

彼の瞳を見ていると胸の奥から何か熱いものが込み上げてくる

その熱さが頬へと伝わり、涙となって溢れ出す私は彼に恋をした

この気持ちを伝えたい!

そう思った時だった

彼が口を開いたのだ

君が好きだよ それはまるで桜の木の下で告白をするかのように

彼からの突然の言葉に驚きつつも 私は嬉しさでいっぱいになりました

だって、こんなにも素敵な人と出会えたんですもの

今はまだお付き合いとかそういう事は出来ないけど

いつか必ず、あなたに相応しい女性になってみせますね

だから今はこの言葉だけで十分です

ありがとうございます 大好きですよ、愛しています

さようなら

私は心の中で呟くと彼と別れた

その時の私は気付いていなかった

もう二度と会うことはないという事に

私が最後に見た光景は彼の笑顔

その顔はとても悲しそうな表情をしていたわ

どうしてそんな顔をしているのかしら?

もしかして、まだ私の事を引きずっているのかな?

だとしたらごめんなさい

でも大丈夫よ

すぐに忘れさせてあげるから

あなたには私だけいれば良いの

他の女の事なんて考えないであなたは私だけをずっと見ていればいいの

そうすれば何もかも上手く行くはずなの

だからお願いします

早く戻ってきてくださいね

私はあなたの帰りを待っています

いつまでもいつまでも待っています

例えどんな姿になろうとも

たとえ世界が滅ぼうとも

あなたへの想いだけは変わりません

あなたを愛しています

だから、絶対に帰って来てくださいね

私のところへ帰ってくるまで

何があっても諦めたりしないでくださいね

ずっと待っていますから

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春風は暖かく、優しい! 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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