惰堕駄蛇打!
硝水
第1話
「死ねって言うのはダメなのに生きろって言うのはいいの、おかしいよね」
「別におかしくなくない?」
「そうかな」
「死ねって言うと死ぬはずじゃなかった人も死ぬけど、生きろって言って生きる人はもともと生きる人だと思わん?」
「生きろの方が言葉として弱いってこと?」
「そうそう」
「でも私、生きろって言われたらやだな」
「生きたくないからでしょ」
「それはそう」
「どっちにせよ抗えるのは強い人で、生きろに縋れる人も強いんだよ」
「生きろって言われて死ぬのも、生きるのも強いって?」
「そうじゃん」
「だから嫌なのかなぁ。死ぬ勇気はないけど、生きろって言われて希望を持って生きてるわけじゃないから」
「そか」
「私ねぇ、そのうち政治家になって積極的安楽死を認めて、私が一番に死ぬんだ」
「なんで文学部来ちゃってんのよ」
「進路決めた時は別に死にたくなかった」
「切実すぎる」
惰堕駄蛇打! 硝水 @yata3desu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます