月明かりの世界

バブみ道日丿宮組

お題:どうあがいても月 制限時間:15分

月明かりの世界

 月明かりの下でしか生きれない生物が、私たち吸血鬼。

 太陽に照らされれば、やけどを負うが死ぬことはないがやりたくはない。

 皮膚を保護するクリームを塗れば大丈夫ではあるが、完璧じゃない。

 夜は食事の時間、狩りのはじまり。

 1人でいるのを狙って、あるいは複数人で複数を狙ったり。

 生きるためには血を吸わなければんいけない。人間がそうであるように、私たちもそうなのだ。

「いい加減慣れなよ」

「……だって、あたしは人間だったんだもの」

 例外とい例外はいる。

 私の血を吸ったものだ。

 それは吸血鬼でありながら、人間としての能力を持ってる。

「血を吸わなきゃ、あなた死ぬんだよ? まぁあなたの場合は、普通の食事でカバーできる部分はおそらくあるだろうけど」

「……血を吸ったら、この人が大変なことになるじゃない」

 倒れてる女子高生を指差す。

 死なせないために救急車を呼んである。駆けつけて、すぐに輸血を開始できるように。とはいえ、致死量に至るまでの吸血はしない。必要最低限もらうだけだ

 この街では夜に吸血鬼がでることは確定しており、その対策として救急車が輸血できるようにしてある。これは吸血鬼たちもお金の面で協力してる。

 自作自演のようなものだ。

 ちなみに人間が吸血鬼に勝てることはない。

 よく弱点と言われるにんにくやら、心臓の杭は全く意味はない。

 月の下で無敵。

「救急車がくるまで時間がないわ。早くしなさい」

 出ないとと、私は腕まくりする。

 私の血を飲んで吸血鬼となった者は、私の血を飲んでも同様な成分を得られる。

 ちくりとするのは嫌だが、人間もされてることなので、お互い様だ。

「私はあなたには死んでほしくないの」

 特別だから。

 吸血鬼が吸血鬼を作ることはほとんどない。

 血を吸うライバルが増えるし、後々に責任問題にもなりかねないからだ。

「……うぅ、ごめんね」

「いいのよ」

 私の腕にかぶりついた。

 まだ、人の血を飲める決心がつかないようだ。まぁいい。いつか慣れることだろう。

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月明かりの世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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