第9話
「え、ちょっと...」
俺が伝票を握りしめて帰ろうとしたら、
がしりと右手首を掴まれた。
強い力だった。
振り向くと、地味子が俺のこと凝視していた。
声を始めて聞くことになり、その声、
どこかで聞いたことのあるような声だったが、思い出せなかった。
「えーと、うちらふたり、残されちゃったけど。これからどうしようか...?」
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