第5話

「グラタン。それからオニオンスープ。

それから南瓜のサラダ。あとあと...」


買い物も俺が行く役目。


俺はまるで主婦だった。


つーか、妹の使用人と化していた。


作れば作ったで、


美味しい!と言って食べてくれるわけではない。



「なんか、味が薄いよ。塩味が足りない。

オニオンスープは、胡椒をもっと振りかけた方がよかったね」


「そんな文句言うんなら、おまえが今度から

夕飯の当番な。母さんいないときはおまえが全部やれよ...」


俺がそう呟くと返事は決まって、


「やだ」だった。


「兄貴に作ってもらう」


かっわいくねぇ!!

せめて、せめて、美味いって言えよ!


俺は口には出さなかったが、俺の料理にケチがつくたびに、

心の中でそう叫ぶこと多々あった。

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