第3話
「ねぇねぇ、一人だけ変なのが混じってるけど、どーゆーこと?もしかしてうちら舐めてるとか?」
美少女だが、ギャルギャルしい女が
俺のこと、ちらちら見つつ、合コンの主催者である藤島くんに尋ねていた。
「一人だけ変なのがいるよな。
んー、わかるわかる。そう思っちゃうよな。
外見はだせぇし、眼鏡だし、そのパッとしないよな。実はさ、心やさしきこの俺様が、
飯をおごってやるっつったらがめつい、
この、名前は山吹シンジってやつが、
尻尾ふって参加させてください、お願いしまっす!って懇願してきたんだ」
続けて、
「ま、俺的には、陰キャが一人混じると合コンという、本来華やかであるべき舞台が
台無しになるのは分かっていたんだけど、
やっぱり、性格の優しい俺的には、慈悲の心で参加させてあげたってわけよ...!」
滅茶苦茶言ってやがる。
俺は反論する気にもなれずに、黙々とコーラを飲んだ。料理は美味い。
取り敢えず、何言われようとおとなしくして、
腹を満たすことに専念しようと思った。
いつも、いつも。
母親と父親は帰りが遅い。
だから、いつだって俺が料理を作る羽目になってた。しかも。
一年前から一緒に同居する羽目になった
義妹の分も作っていた。
義妹のアイリは女だっていうのに、
料理をめんどくさがって一切やんなかった。
「おいおい、たまには作ってくれよ。
なんでもいいからさ。そうだな、オムライスとかシチューとか簡単なものでいいんだけど」
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