考えて仕事をする

 社会に出て働き始めると、一度は言われる言葉。

「考えて仕事をしなさい」

 これは当然のことだと思う。

 考えて動かなければ、むしろ仕事ではない。

 けれど、その言葉は新人に使うべきではないと思う。

 社会に出たばかりの若者は無知なのだ。

 

 料理に例えるとわかりやすいかもしれない。

 包丁も握ったことがない相手に、食材と器具を渡して。

「料理本を見ることなく、何か美味しいものを料理を作りなさい」

 と言っているようなものだ。

 相手は間違いなく理不尽に不満を募らせるだろう。


 必要なのは技術と知識。

 包丁の握り方と料理本なのだ。

 様々な経験をして、ようやく人は考えられるようになる。

 食材や器具の使い方や組み合わせを工夫し、アレンジ料理ができるのだ。


 考えろと言って突き放すのではなく。

 考えられるように寄り添い仕向ける。

 本当に大切なのは、そういうことなんだと思う。

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