様々な世界

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 私の趣味は旅行する事。


 さまざまな世界を旅行するのが一番の趣味だ。


 時代が進むと、こんな事も出来るようになっているんだよね。


 遙か過去の人達は、まさかそんな事ができるだなんて思わなかっただろうな。


 外国に行くのも大変な時代があったみたいだし。


 でも、今は宇宙旅行は簡単だし。


 異世界に旅行するのも結構お手軽。


 私は、他のツアーの者達と集まって、ガイドの人から注意事項を聞いていた。


 荷物は持った。


 パスポートも持った、もしもの時の薬や翻訳機械。救難信号機も持った。


 これから、楽しい旅行の始まりね。






 私達は、ガイドさんの案内の元で色々な世界をめぐっていった。


 どこも、元の世界では見られない物ばかり。


 翻訳機で現地の人から話を聞いたり、その世界独特の文化大変をするのはとても楽しかった。


 光る花とか、綺麗だったな。


 ヤシの実みたいなカラフルな果物は美味しかった。


 白い牛みたいな生き物からとれた牛乳もコクがあって、濃厚だった。


 まだら牛弁当の、お昼ご飯も美味しかった。


 えっ?


 食べ物の思い出ばっかり?


 食い意地はってるみたいに言わないでよ。


 いいじゃない。グルメが二番目の趣味なんだから。


 ともかく、今日一日だけでも、とっても有意義な時間を送る事ができたわ。


 でも、ガイドの人が新人で、ちょっと説明につまったり、手際が悪かったのが気になるかな。


 あとで、アンケートに書いておいた方がいいかも。


 だけど、必死に頑張ってる人にそういう事いうのも気が引けるし。


 どうしようかな。


 あれこれ考えていたら、次の世界に来てしまったようだ。


 しかし、ガイドの人が顔を真っ青にしている。


「今すぐここを出ましょう」


 と、焦った様子だ。


 その世界は、鎌を持ったガイコツが宙に浮かんでいる世界だった。


 うん?


 そして、遠くにには閻魔とかかれた名札をつけた大きな人がいた。


 列に並んだ人をさばいている。


 超、白い服を着た人が多い。


 まさかひょっとして。


「ごめんなさいごめんなさい!」


 辺りを見回したのちに、泣きだすガイドさん。


 ここがどこだか、聞きたいような聞きたくないないような。


 あっ、数年前に他界したはずの遠くでおばあちゃんが手を振ってる。


 おばーちゃん。


 形見のお守りまだちゃんと使ってるよー。


 それはともかく。


「ガイドさん、ここどこの世界なんですか?」

「すいませんすいません!」


 私達は、嫌な予感にかられるまま、慌てるガイドさんに促されてその世界を後にした。


 後日お詫びのメールを送られた時はやっぱりね、という想いだった。


 まさか、生きたまま死後の世界に行くとは思わなかったよ。


 技術の進歩ってとんでもないわ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

様々な世界 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ