私は助けたい

虹なん

第1話 私は助けたかっただけ

今日も学校。私の名前は心音(ここね)。私はいじめが大っ嫌いだ。だって友達が虐めれているから。友達の名前はまさのちゃん。いつからかクラスの陽キャ高野(たかの)さんに虐められていた。

学校に着くとまさのちゃんは傷付いたような顔をしていた。何度も何度も見てきた顔。まさのちゃんの机に何か濃く書かれていた。

「ブス」「キモイ」「陰キャ野郎」「臭い」

中々酷い悪口だ。

「あれれ〜wどうしたの〜w??」

「っ…」

まさのちゃんは教室から出ていった。私は自然に教室から出るようにしてまさのちゃんを追いかけた。

まさのちゃんはある廊下でうずくまっていた。

「大丈夫?、」

と聞くとにっこり笑いながら

「心音ちゃん、心配してくれてありがとう!私は大丈夫!いつもありがとう!」

と言ってくれた。私は嬉しかった。

「ごめんね、こういうことしか出来なくて。」

「大丈夫だよ!逆の立場で考えたらこうやって喋ること自体怖いもんね、本当にありがとう」

と言った。

それから先に私が戻って20分後くらいにまさのちゃんが戻ってきた。もう授業は始まってしまっている。

「あっ来たよwブサイクw」

「本当だ~w」

「遅〜いw」

「サボりたかったのかな?w」

とまさのちゃんの批評する言葉が次々と飛び出した。そうすると先生が

「高橋(たかはし)、授業に遅れてるぞ。」

「っ…すみません」

とまさのちゃんが謝る。まさのちゃんの苗字は高橋。そして何故まさのちゃんがいじめられていることを知っているはずなのに先生は無視してる所か叱っているのか?と思ってしまう。これはもう3ヶ月以上も続いている気がする。

そして体育の時間になった。みんなは

「ダルい~」

「それなぁ」

と話している。

「あれぇあいついなくねー?w」

「怖気付いて逃げたんじゃねw」

「つまんなぁw」

あいつとは多分まさのちゃんの事だ。確かにまさのちゃんを見かけない。どうしたんだろう。

そして準備体操をしている時屋上に誰かがいるのが分かった。

「っ!?」

正体が分かった瞬間怖気付いた。屋上にいたのはまさのちゃんだったからだ。

私は足の力が抜けて転がり込んだ。

「心音ちゃん大丈夫!?」

とクラスメイトがこっちに来る。私は

「屋上にまさのちゃんがっ…」

と言った。みんなは屋上に目を通す。そして高野が

「何やってんだよ!!」

と叫んだ。まさのちゃんを虐めた癖によく言えるなと内心思った。そうするとまさのちゃんが

「貴方のお望み通りに死ぬの!!」

と言った。今まで1番大きな声だった。

「うるせぇ!!!私が人殺しになるじゃねーか!!!!」

「貴方が悪いんでしょ!今まで虐めてきてよくそんな事言えるよね!?」

言い合いが続いたあと

「1番は心音ちゃんが悪いんだからね…」

とまさのちゃんが言ったような気がした。

「え?」と言った瞬間飛び出した。そして私はまさのちゃんの所に駆け出した。地面に倒れ込んで血が沢山出ていた。そしてまさのちゃんのポケットからノートが出てきた。遺書と書いてある様だった。中のページを見てみると色々な事が書いてあった。

「私が死んだらこのノートを見て下さい。」

「私は高野さんと莉子(りこ)さん林田(はやしだ)さんそしてクラスの人達、先生にまで虐められていました。その人達も憎んでいますが1番憎んでいるのが心音ちゃんです。」

私は「は?」となった。そして私はまさのの方を向いて言った。

「お前。なんでだよ!今まで裏で助けてあげたくせに何その態度!お前なんて死んで当然だ!ブスがっ!!!!」

と最後にまさのに言ってやった。

そしてまさのは救急車に運ばれた。そして次の日、HRで先生が

「昨日、飛び降りによりこのクラスの高橋まさのさんがお亡くなりになりました。皆さん黙祷をしましょう。」

その途端皆が目を閉じた。

その時後ろからとんっと肩を叩かれた。後ろを見ると先生がいた。

「救井(すくい)さんちょっと来てください。」

と言われた。そして先生の後に続いて歩く。

そしてひとけのない教室へとはいっていった。そしてその教室には見た事のない大人がいた。そしてその大人が怒るように口を開く。

「貴方が心音さんですか?」

恐る恐る「はい」と頷く。そうすると

「ちょっとこれを聴いてくれ。」

といいボールペンを押し出した。そうすると声が聴こえる。

「なんだよ!今まで裏で助けてあげたくせに何その態度!お前なんて死んで当然だ!ブスがっ!!!!」

「これ貴方が言ったんですよね?」

と大人…いや多分まさののお父さんだ。私は反論するように言った。

「そうですけど。でも私は裏でずっと支えてやったんです!!私が虐められる覚悟で!!でも遺書に「心音が1番憎んでる。」って書いてあったから!!」

「じゃあその遺書見せてくれないか?」

とまさののお父さんが言った。しくじった。実は遺書を私が持っている。何故かと言うと私は悪者になりたくなかったから。私は口を開いて

「無くしました。」

と言った。そうすると

「なんで無くすんだ!!」

と怒鳴った。

「最後、まさのの言いたかったことなんだぞ!!返せよ!!俺の娘を!!」

「…っ」

私は逃げ出した。この遺書なんか燃やしてやるっ!!!そうして二度と家には帰らなかった。学校にも行かなかった。

「なんでだよ!私はただまさのを救いたかっただけなのにっ!!」

私の人生はバットエンドとして陥った。

私はまさのに向けて

「〇ね」

と呟いた。

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私は助けたい 虹なん @niziirodesu

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