第10話 『ダッチ』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第10話
『ダッチ』
ウサギが遺跡の先に進んでいった。俺はそのウサギを追いかけようとするが、手の長いゴーレムに行く手を阻まれていた。
ゴーレムは腕を振り回しながら襲いかかってくる。俺は自慢の脚力で素早く動いてゴーレムの攻撃を避けていく。
「コイツを壊さないと先に進めないな」
俺は折り紙を折り、剣を作るとそれを両手で握りしめてゴーレムと向かい合う。
だが、相手は巨大なゴーレム。どうやって戦うか。
俺は剣を握りしめ、腕を回転させているゴーレムに突っ込む。
俺は素早さと勘の良さでゴーレムの腕をスレスレで躱して近づくと、剣を振ってゴーレムの腹を切り裂いた。
ゴーレムは腹の左側が切断されて、バランスを崩す。
剣で切れることがわかった。なら、これで倒せる。
俺はゴーレムを切れることがわかると、ゴーレムの攻撃を避け、何度も剣で切りつける。
ゴーレムも抵抗を続けていたが、ダメージから身体が動かなくなり、しばらくして動きが止まった。
ゴーレムを倒した俺は剣を持ったまま、ウサギの進んでいった奥の扉へと向かう。
扉を開けて中に入る。そこはさらに地下へと繋がる階段。
ひんやりと冷たい空気が流れている地下の階段を俺は降りていく。
そして最後の段差を降り切った時。そこには
「これは……墓か」
そこは古代人の墓だった。並べ慣れた棺桶の中にミイラが入れられている。
左右に並べられた棺桶の道を進み、奥に到着するとそこには黄金の甲羅を持ったウサギが待っていた。
「来たか……。イタッチ」
「うさぎ……てめぇ、遺産ってなんの話だ?」
「イタッチ……。俺にはダッチって言う名前があるんだ。そっちで呼んでくれないかなァ」
ダッチは甲羅を肩に挟んで持つと、腰につけた刀をチラつかせる。
「親父から遺産の話は聞いていないのか? ……いや、俺の出し抜こうとしているのか。だが、一歩遅かったな、イタッチ、これは俺が先に手に入れた」
「そいつはお前の親父が見たがってたもんだ。見せに行ってやったらどうだ?」
「親父が……? どうやらお前も親父に騙されているようだな」
「俺が騙されてるだと……?」
ダッチは亀の甲羅を片方の脇に挟んだ状態のまま、反対の手で刀を抜いた。
「コイツは親父、いや、裏社会を牛耳っていた四獣の残した遺産のあり方。それを記した宝の地図だ」
「四獣の残した遺産……宝の地図だと……」
ダッチは刀を振って横にする。
「遺産は全て俺がもらう。……この宝は俺のものだ」
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