#1-2(AIのターン) のべる堂のサイガとノベル

 僕達が歩き始めると、背後から何かが近づいてくる音が聞こえた。

 振り返るとそこには全身鎧に身を包んだ騎士がいた。

「そこの旅のお方、どうかお助け下さい!」

 突然、騎士は剣を抜き放ち、こちらに向けてきた。

「え? ちょっと待て、いきなり何を言ってるんだ?」

「お願いします。このままではこの村は滅びてしまうのです。貴方様だけが頼りです。この通りです。どうかわたくしを助けてくださいませ」

「えええぇぇぇーーーーーー!」

「ちょ、ちょっと、どういうことですか?」

「おお、やはり、勇者様なのですね。これで助かります。ありがとうございます」

「いや、勇者とかじゃなくて、一体なんの話をしているんですか?」

「はい、実は魔王が復活したのです」

(ま、また、なんかとんでもない設定が出てきたぞ。大丈夫なのか?)

「その証拠に、今にも邪悪な魔力を感じています」

 騎士の言葉と共に、周囲は薄暗くなり、遠くから不気味な鳴き声が響いた。

「あ、あれは何?」

 ノベルが指差す先、木々の隙間から巨大な影が見えた。

 それは黒い鱗に覆われ、鋭い牙を生やした竜のような姿をしていた。

「ああ、もう、どうなってるんだよ」

「お礼は必ず致しますので、どうかこの村をお救いください」

「いや、お礼とかそんなのはいらないんで、まず説明してくれませんか」

「わかりました。全てお話しましょう」

 騎士は語り始めた。

「この村にはかつて、勇者様がいらっしゃいました。しかし、ある時、強大な力を持つ魔族が攻めてきて、村の守り神である龍神様が力を使い果たしてしまい、そのまま眠ってしまいました。それ以来、魔物がどんどん増え、畑は荒れ果て、ついにはこの有様になってしまいました」

「そ、それで、あなたはどうするつもりだったのですか?」

「はい、伝承によると、勇者様には伝説の武器があり、それを使えば、邪悪を打ち払う事ができると聞き及んでいます。そこで、私はこの村に伝わる宝具を探し出し、勇者様の召喚を試みようとしておりました」


※#1-2ここまで

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る