転生したら女神様の配達人をすることになりました!

ミアキス

プロローグ

 世間では異世界転生や、異世界転移。はたまた悪役令嬢…などなど。様々な創作物で溢れている。


 しょせん、二次元。


 現実リアルにあるわけないって、思っていました、この瞬間まで……。


「お主はの。車に跳ねられて死んでしまったのじゃ」


 目の前にはサラリとした黒絹のような長い黒髪を腰まで流した、白いチャイナドレスを着た美人。

 だけど、右の目は海みたいな真っ青なのに、左の目は鮮やかな緑色だった。

 そんな人にあっさりと自分の死因を告げられたというのに、美人に目のない私ときたら…。


 おぉ…。これって、ヘテクロミアとかいうやつじゃん。しかもチャイナドレスの美女とか眼福眼福…。


 って、思わず手を合わせて拝んじゃいましたよね。


「…お主。何をしておる?」


 美人さんにめっちゃ呆れた顔をされました。


 それもまた眼福。ありがとうございます。


「まあ、よい。話を戻す。妾はお主の生きていた世界を生み出した創造神ガイア・ナテラじゃ。お主、死ぬ前は面白い仕事をしておったの…」


 面白い?

 私は宅配会社の下請けのメール便会社に雇われ、毎月決まった地域内で、メールの配達をしてただけだ。

 全くもって、メール便の仕事ではなかろうか?


 首を傾げる私に、女神様とやらはニヤリと笑った。


「この度、千年に一度の会議の担当が妾の順番での。開催の段取りをせねばならんのじゃ。じゃが、ここ数年。諸々の事情で新参者が増えすぎてしもうての。最古参である妾達は、どういった連中か把握しておらんのじゃ…。それゆえに居場所は分かっても連絡の取り方がイマイチ分からぬ。かといって。いちいちソレらのとこにまで出向く暇もない。故にそなたに次の転生までの間、妾のとして手伝ってもらいたいのじゃ♪」


「…………はい?」


 とは何ぞや?


「要はの。妾の用意した代物。そなたに分かるように言うなら、手紙や書類を指定の神々に届ける仕事じゃ」


「あー。なるほど、前職を活かした仕事ってことですね。でも、どうやってですか?」


「…飲み込みが早いの…。普通はこう…。死因がどうとか、妾が本当に神か疑うとかするものではないかえ?」


 何処からか取り出したこれまたもんのすご〜く綺麗な扇で口元を隠し、困り顔の女神様。


 脳内にスクショです。


「美人は正義です!」


「…お主!それは騙されやすい者達に最も多い要因じゃぞ!!よいかえ。上辺だけの連中なぞ、有象無象に…」


 そこからしばらく、女神様からの有難いお話を聞かされ、私はこの女神ーガイア・ナテラ様の配下の配達人としての新たな人生(?)を始めることになったのですーー。









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