(二)-19

「それじゃあ、あなたのお名前と連絡先、それから事務所の住所と電話番号をここに下さい。選挙のときにポスターを送らせてもらいますんでね」

 そういって豪快に笑う東の言うままに、益田は紙にペンを走らせて、東の方へ出した。

「うんうん、阿幸地会さんね。役場には言っておきますから。書類忘れずに出しておいて下さい。書類がないと、私がいくら言っても審査通りませんからね! それじゃあ、よろしくお願いします!」

 受け取った紙を見てそう言うと、東は立ち上がり、紙を大塚に渡した。そして二人の背広の男とともに事務所を出て行ってしまった。

 益田は、呆気にとられ、しばらく動けなかった。


(続く)

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