(二)-9

 大久保の方を見ると、そう言って満面の笑みを浮かべていた。

「どういうことなんですか」

 色々言いたいことはあったが、ともかく、審査を通る方法を聞きたかった。

「ちゃんと先生のところには行きはったんですよね?」

「先生?」

「……もしかして行っておまへん? それはあきまへんわ。そんなん、通るわけあらしまへんがな。ちゃんと先生の所に行きまへんと……」

「先生とは?」

「そりゃ衆議院のひがし先生のところですわ。ここの選挙区から立候補してはりますやろ」


(続く)

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