(二)
益田は町役場の住民福祉課の窓口で「介護利用者促進支援補助金申請書」などの書類の束を係の人に渡して頭を下げた。
その後、町役場の玄関を出て、入り口前に停まっている阿幸地会のバンの助手席に乗り込んだ。
「どうでした」
運転席の宇田剛が車のエンジンをかけながら聞いてきた。
「ああ。やっとだよ。六度目の正直だ」
シートベルトを締めながら益田が答えた。
「五回も書類不備で突き返されるとか、あり得なくないですか」
宇田が車を出した。
「国からの補助金だから、そのへんは厳しいのだろう。仕方ない。でも、これで受入れ定員も増やせるし、人手も増やせる。君たちの給料も、若干だが増やせるかもしれない」
「本当ですか、それはうれしいですね」
その後、二人は車で事務所に戻った。
(続く)
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