第7話 いつの間にか異世界転移
「簡単に言うとどの方向にも逆があるように、次元そのものの方向にも逆があるってこと
そして私のような次元魔法を使える人は、次元のゆがみを作り出して移動することが出来るのよ」
要するにここは僕のいた世界と違う異次元で、彼女は2つの世界を行き来できる。
ということを言っているのだろうか。
「つまりここは異世界ってこと、これで伝わる?」
「ここが異世界...もしかして、ここは剣と魔法の世界!?」
「そうよ、しかし向こうの世界に魔法がないのは不思議ね」
内心興奮しているのを抑えて今1番聞きたかったことを質問する。
「どうして僕をこの世界に連れてきたんですか?」
「勇磨くん、君はあいつを倒すために必要不可欠な存在だからよ」
「そんなこと言われても、僕はあの男が何をしてきたのかすら」
そのとき彼女もあの男もこの異世界人であることを察した。
「私が調べた結果、あいつの持ってる武器はティーザのナイフという斬りつけた相手の神経を麻痺させる武器だと分かったわ」
「そんな武器が...あれ、でも斬られてないはずの柚美や涼太がどうしてあんな目に...あんな目に」
「そう、そこが問題ね、おそらく斬られると神経が麻痺する理由が関係あると思うの
たとえば剣に特殊な電気が流れてるとして、その電気をどうにか放電させているとかね」
「なるほど、ではどうすればそんなやつを殺せるんですか?」
僕の目に柚美と涼太の残酷な姿が浮かび上がってきて、怒りも湧き上がってきた。
「その気になってくれたみたいね
でもまずは冒険者となって力を磨いてもらうわ
あいつの持ってる武器は小悪魔にして魔族のトップクラスに位置していた小悪魔ティーザを倒した証拠でもあり、並の力では勝てるはずもないからね」
「くっ、しょうがないか、まずは冒険者に...ってあ!さっきおじいさんも言ってたような、ということはさっき行った場所は冒険者協会ってやつ!?」
どうりで刀を持ってる人が多かったわけだ。
さっきは怖くなって逃げてしまったが、今は逆に好奇心が恐怖心よりも勝っている。
「なんだ私が向こうで用を済ましている間にもう行ってたのね
おじいさん...は、おそらく隣に住んでる鍛冶屋のケンゴウさんだね
その様子だとまだ冒険者登録はしてないみたいだし、戦いの覚悟が出来たのならまた行ってくるといいよ
ついでにウェイヒーの右隣にケンゴウさんの鍛冶屋があるから、そこで装備を整えてくるように」
「ウェイヒーって?」
「あー、その、冒険者協会のことだよ
じゃあ私は調査に戻るよ」
そっと大きなボストンバッグを渡され、リーラは黒い光と同時に消えていく。
「バッグが突然現れたのも魔法か、それにしてもこのバッグお、重すぎぃ...」
体感では30キロくらいあるように感じる。
中を覗いてみると、そこには金貨がバッグいっぱいに敷き詰められていた。
「すごい量のお金だけど使って大丈夫なのかな?
しかしこんなに重いと、ここでの買い物は大変そうだな」
僕はバッグを右肩にかけ、さっき行った場所へと向かう。
――――――――――――――――――――
「着いた、ふぅ......入るか」
入口の上に着いてある木彫看板には、
"ウェイ オブ ヒーロー"と書かれていた。
つづく
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