彼と僕

バブみ道日丿宮組

お題:彼の雑草 制限時間:15分

彼と僕

「ゴミ拾いが金になるなら、雑草を売ればもっといい金になるんじゃねーの?」

「それがもし本当のことなら、ホームレスなんていないよ」

「たしかにそれはそうだな。お金持ちになってるのはごく一部だ」

「アイディアを発見して、仕事を作るというのはよくあるサクセスストーリーだね。お金持ちが貧乏になるパターンもあるよ」

「はぁ……雑草をいかしたビジネスチャンスがほしいなぁ」

「雑草は雑草だから、雑草なんだよ」

「哲学だな」

「雑学でもあるよ。もっとも深いところにいけば、いわゆる麻薬の原料だって入手できる」

「犯罪はしたくないな」

「高いってことはそれだけリスクを背負うってことだよ」

「日本以外で認められてる国に行くか」

「英語も話せないのに行くのか? 商談とかできない君だろ」

「そんときはお前を連れてけばいい」

「僕もいくのが確定事項なのか?」

「くるだろ? だって、お前俺のこと好きだろ?」

「……嫌な言い回しだね。まるで僕が君に惚れ込んでるみたいじゃないか」

「毎日起こしに来てくれるし、朝食、お弁当、夕食。家事全般に至るまでやってくれるのは、愛じゃないのか?」

「それは……おばさんに頼まれてるからであって」

「頼まれてるからって、普通異性の周囲を固めることはないだろ。俺のせいで男が寄り付かなくもなってるし」

「それはいいんだ。僕は静かなのが好きだから、あぁいう連中に絡まれるのは嫌だ」

「つまり、俺の側にいたいと?」

「……なんでそうなる」

「まぁ、夜の営みまで落ちるのも時間の問題かな」

「僕はそんな淫らなことはしないぞ!?」

「どうどう。落ち着けよ。ほら、このレタス食べて」

「むぅむぅ」

「もうさ、学校中でカップルっていう認識があるんだからさ、いい加減付き合わないか?」

「……僕が君を好きってことになるじゃないか」

「付き合うってそういうことだろ? なにもおかしくない」

「……それでも君は他の娘にえらく人気があるじゃないか」

「陽キャ特有のオーラのため、致し方ない」

「……こっちはどうなるんだい」

「なに?」

「女の子に囲まれた君を見てる僕はどうしたらいいんだいっていってるんだ!」

「ヤキモチ焼きか。大丈夫。愛してるのはお前だけだよ」

「浮気性があるやつが言うセリフじゃないか!」

「だったら、繋がるしかないじゃないか」

「そ、それは……ちょっとまだ」

「恥ずかしがるなよ。余計構いたくなる」

「いいから、さっさと弁当を食べないか! 昼休みにも限りがある」

「そうだな。続きは帰ってからにしよう」

「……まだ続くのかい」

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