第31話 商人のレベル上げ

「さて、今日からは四層に戻ってきたわけだが……」


 四層に降りてから早速敵と遭遇したわけだが、変わらぬ編成に安心する。


 名 前:ティム

 年 齢:16

 職 業:商人レベル2

 筋 力:200+2

 敏捷度:116(+60)

 体 力:200+4(+60)

 魔 力:224

 精神力:202

 器用さ:171

 運  :390+2

 ステータスポイント:0

 スキルポイント:373

 取得ユニークスキル:『ステータス操作』

 取得スキル:『剣術レベル6』『バッシュレベル6』『ヒーリングレベル6』『取得スキルポイント増加レベル5』『取得ステータスポイント増加レベル5』『取得経験値増加レベル5』『ライト』『罠感知レベル5』『罠解除レベル5』『後方回避レベル5』『アイテム鑑定レベル5』『短剣術レベル5』『ファイアアローレベル6』『アイスアローレベル6』『ウインドアローレベル6』『ロックシュートレベル6』『瞑想レベル6』『ウォールレベル6』『バーストレベル6』『魔力集中レベル6』『祝福レベル6』『キュアレベル6』『ハイヒーリングレベル6』『セイフティーウォールレベル6』『スピードアップレベル6』『スタミナアップレベル6』


「やはりせめてあと1つレベル上げておくべきだったか?」


 ドロップボックスを排出するためには運が400必要と考えていたからだ。


「でもまぁ、商人はレベルが上がる時に運も上昇するからな……。すぐに400は越えるだろう」


 俺はそう考えるとロングソードを抜く。


 『スピードアップ』と『スタミナアップ』はさきほど掛けたばかりなので時間は十分持つ。


『ファイアアロー』


 六本の矢が突き進み、いつものように戦士ゴブリンと戦士コボルトに突き刺さった。

 俺は魔法を放つと同時に走り出し、一気に敵との距離を詰める。


 メイジゴブリンが魔法を唱え回復させようとしているのを見ると……。


「『アースウォール』」


「ゴブブッ!」


 奥の方にいるゴブリンメイジとコボルトアーチャーの叫び声が聞こえた。

 俺は土の壁を敵の分断に使ったのだ。


「さて、速攻で決めさせてもらおうかっ!」


 俺は一気に間を詰めると、戦士ゴブリンと戦士コボルトに向かって剣を振る。

 すると、元々魔法でのダメージが入っていたお蔭で、どちらも一振りで倒すことに成功した。


「やっぱりいけるな!」


 三層でも戦士ゴブリンと戦士コボルトは、支援魔法を使った俺の動きを捉えることができなかった。

 筋力にステータスを振って攻撃力を上げ、支援魔法で敏捷度が上がっているので、今までよりも素早く距離を詰められる。


「ゴブッ?」


「ガルッ?」


 俺が2匹を倒すと同時に壁を越えてコボルトアーチャーとゴブリンメイジが姿を見せる。

 俺が接近すると慌てて矢を番え、魔法を唱えようとするのだが、この距離なら剣の方が速い。

 走り寄る勢いでそのままゴブリンメイジに剣を突き刺すと身体を持ち上げコボルトアーチャーの盾代わりに使う。

 そして剣から身体を外しつつコボルトアーチャーに蹴って押し付けると――


「ガルウッ!」


 頭上から斜めに振り下ろし、首を落とした。


「ふぅ、支援魔法を先にかけておけば有利に立ち回れるな……」


 以前の狩りはすべて魔法に頼ってしまっていたのでマナポーションが掛ったが、支援魔法で使う魔力は攻撃魔法と同じかそれより少し大きいくらいだ。

 一度掛ければ30分持つことは調べてあるので、時間内なら掛け直さずともモンスターと戦える。


「『アースウォール』にしたのも正解だったな」


 火や風だとこちらの様子がある程度見えるし突っ切ろうと思えばできる。氷は突っ切れないが状況が見えるので、今見たいな動きをしていると知られたら逆に距離をとられかねない。


「しばらくはこのスタイルでやってみるとするか……」


 俺は今後の戦闘を想定しながら実戦をこなしていくのだった。



「あっ、またドロップボックスがでた……」


 あれから狩りを続け、運が400を超えたらドロップボックスがでるようになった。


「また『インゴット』か……」


 俺は出てきたアイテムにテンションが下がる。

 この『インゴット』は良質の金属でできており、鍛冶をする際に使えるためそこそこの値段で引き取ってもらうことが出来るのだが、俺にとって悩みの種が一つ。


「問題は重いんだよな……」


 1つで大体3キロらしい。1つだけならそうでもないのだが、数が増えてくるとそれだけで結構な重量になるのだ。


「普通の人間なら、これが幾つかでればその日の稼ぎを確保できて喜んで引き上げるんだろうけど……」


 対決を身近に迎えた俺にとっては金も欲しいが狩りをする時間も欲しい。


「仕方ない、一度置きに帰るか……」


 ここで睨んでいても何も変わらない。俺は『インゴット』を詰めるとダンジョンから戻るのだった。




「ここまで三日も掛かったな……」


 俺はためいきを吐くと、ステータス画面を見てみた。

 商人のレベルが25になっていて、各種ステータスが上昇している。


 時間が掛ったのは、レベルが上がるにつれて運が高くなり、ドロップボックスからアイテムを得られるようになったからだ。

 これまでと違い、一日に二~三往復する必要ができたので、タイムロスが発生していた。


「一応これですべてのステータスが200を超えているな」


 ユーゴさんたちは必要なステータスのみ200をオーバーしていたが、俺はすべての項目を上げてきた。


「斥候に転職してあと三日、一日の狩り時間を増やせばどうにか間に合いそうか……?」


 最近はサロメさんも強力してくれて、一日に数度、ダンジョン入り口までアイテムを引き取りに来てくれている。継続してもらえば何とか間に合うのではないだろうか?


「……と、その前に追加されたスキルを確認してみるか」


 結局、商人のスキルに関しては調べてもほとんどわからなかった。

 何故なら商人は街での商売をする職業であり、冒険をするような仕事ではないからだ。

 ステータス画面を見られる俺にしかレベルという概念はない。鍛える目的でわざわざ危険を冒しに来るわけがないのだ。


 俺は若干楽しみにしつつ、追加スキルを確認したところ……。


「えっ?」


 『アイテムボックス』『アイテムドロップ率増加』


 二つのスキルが追加されているのを確認した。

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