『ゴッド・ライク・マシンと人生最大級の謎』エッセイ(『九頭龍一鬼はかく語りき』特別篇)
九頭龍一鬼(くずりゅう かずき)
謎との遭遇
(以下、科學的知識ほかは、あくまでも独学で獲得したものですので、おおきな誤謬がございましたら申し訳ございません)
コンピューターの性能が指数関数的に飛躍し、いわゆる技術的特異点をむかえ、全知全能の神と同等の存在になったものを、『ゴッド・ライク・マシン』とよぶ。
たとえば、イーガンの『ディアスポラ』や「プランク・ダイヴ」に登場するコンピューターは、おそらくゴッド・ライク・マシンだとおもわれるのだが、これらの作品と邂逅して、愚生は人生史上最大級の疑問をいだくようになった。
とくに、前述した「プランク・ダイヴ」を購読したときだ。
「プランク・ダイヴ」は、光子規模(プランク長)の量子コンピューターをブラックホール内部に『ダイヴ』させ、科學的知識を格段にたかめようとする科學者たちの物語である。
作中、おそらくゴッド・ライク・マシンによる電脳空間とおもわれる場所で、くだんの科學者たちのアバターに、頑迷固陋なる老人のアバターが質問する。
いわく『おまえたちはブラックホールの中身を識ってどうするつもりだ』『いままで死んだ人間をすべて蘇らせるつもりじゃないだろうな』などと。
対峙する科學者たちは、『そんな理由ではありません』『そもそもいままで死んだ人間をすべて蘇らせるにはコンピューター内の記録が不足しています』『もしそんなことが可能であっても苦しんで生きて死んだ人間を蘇らすのは道徳上問題があります』というように反駁していたと記憶している。
此処が謎なのである。
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