【完結】女友達と3回もシてしまったのなら

悠/陽波ゆうい

プロローグ 

「ねぇ、そこのシャツ取って……」

「お、おう、これだな……」


 先ほどまで2人で寝ていたベッド。その上で依子いこの身体を見ないように、背を向けてシャツを渡す。


「ありがとう……。って、これ、ボタンがほつれてんじゃん。……透矢とおや興奮しすぎ。猿か」

「ばっ! お前だってエロエロだっただろ! 大体誘ってきたのだって……」


 反論しようと振り返ったが、依子はまだシャツを着ておらず、生まれたままの姿を見て口籠る。……昨日散々見たのに。


「……とりあえず部屋の片付け。ここ、アタシんちだし、これからも住むんだし」

「……だな」


 ゴミ袋を広げ、掃除を開始。


 昨日は依子の部屋でいつもみたいに、ダラダラした放課後を過ごしていた。そこから色々あって……ヤってしまった。しかも3回も。


 俺は3つのコンドームをつまみ上げる。中にはたぽっと、液体が入っている。


「このゴムってどするりゃいいんだろ……」

「そ、そんなの捨てるに決まってるしっ」

「だよな。お菓子とかのゴミと同じでいいのか……?」

「し、知らないっ。自分で調べろっ」

「おぷっ!?」


 背中にドンっと体当たりされ。

 文句を言おうと振り返ったが、依子が床にへたり込むのが見えた。


「うぅ……腰痛いし……」


 これに関しては本当にごめんという言葉しか出てこない。


 片付けが終わると、また気まずい空気が流れた。

  

 濃い匂いも、倦怠感も、シーツに飛び散る血と白い液も……全部、行為後という事実を表している。


「身体ベタベタしてるし……シャワー浴びてくる」

「……おう」


 バタン、ドアが閉じ、思わず脱力してベッドに腰をかけた。と、同時に安堵の息が漏れる。

 

 そしてフラッシュバックするように記憶の記憶が蘇る。


『あ……!』


 彼女が顔をしかめて、苦痛を表す。


『や、やっぱり痛かった……?』

『ん、大丈夫……まだ、慣れてないから。……てか、初めてなんだし、当たり前……』

『そ、そうか』


 ………。


『あ、あ、あ、あ!』


  高い声を漏らす彼女。それに構わず俺は腰を振る。大きく激しく、時にゆっくり素早く……そして。


「……」


 ……うん、何度振り返っても同じだ。


「俺は……」


「アタシは……」


((親友アイツとヤッてしまったあぁぁぁぁ!!))

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