第7話 再開のキスを①
「へ?上えええっ!」
驚きのあまり、凌は腰から崩れ落ち、その少女に視線を向けたまま尻もちをついた。
そして再び驚く、その華奢ながらも色気のある身体と妖艶な雰囲気,何といっても美しい紅の瞳とブロンドのロングヘアー。少女をみて凌は不意に頬を赤らめる。
「そんなに驚くこともないじゃない。あなたもいずれは出来るようになるもの」
少女はゆっくりと浮遊を終えて地面に足をつく。そして、驚きこちらを指さす凌の方へ歩みを進める。
至近距離まで近づくと、少女は凌の頬を触り、その手は顎、そして首に差し掛かった。
その綺麗で細く、そして冷たい手指の感触に、凌は何が起こっているのか理解できないままでいた。
「それじゃ、いただきまーす」
「え、な、何?」
次に感じたのは純粋な痛みだった。
少女の顔が急に近づき、その刹那凌の首筋に噛みつきだした。久しぶりの痛覚に、凌はビンタで熟睡から起こされたように意識が覚醒した。
「っいだぁ!!」
「カプリ」のように可愛く柔らかい効果音などではなく、ガリっと皮が裂けて肉が千切れていた。しかし、凌の血は外に流れず全て少女の口に渡っていく。
「や、やめ……ろっ!」
死の危険を感じた凌は、吸い奪われていく生気を振り絞り絡みつく少女を突き放す。
とっさに噛まれた首筋を手で押さえるも、そこに出血や空いた傷口などは存在しなかった。
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