ルペルからの呼び出し

「今日中によろしくお願いしますね!」





 リュードが昨日書き上げた手紙を朝練終わりのエミリオが郵便局に届けに来ていた。なぜエミリオが届けに来たのかはお察しの通りである。



「あ、エミリオさん!ちょっと待ってください!」



 帰ろうとしたエミリオを郵便局員が呼び止める。



「はい!なんでしょう?」


「実はこれが朝一で届いておりまして。」



 そう言って郵便局員から差し出されたのはリュード宛の手紙だ。



「隊長宛の手紙!?」



 慌てて手紙をひっくり返すと、そこにはルペル・グレードの名が。

 内容が大体想像できたので、ホッとしたのも束の間。エミリオは疑問を浮かべた。



「でも、なんで僕に?」


「その手紙、宮殿からの荷物に入っていました。朝一の便で来たので、急ぎの連絡ではないかと話していたんです。回っていくと駐屯所に届けられるのが遅くなってしまいますので、エミリオさんに持って帰っていただいた方が早いかと思いまして。」



 急いで届けたほうがいいのだろうが、他の所にも荷物を届けなければいけない。どうしようかと郵便局員たちが頭を悩ませていた所に、丁度よくエミリオが来たのだろう。



「ああ、そういうことでしたか!お気遣いありがとうございます。じゃあこれは僕が持って帰らせていただきますね!」


「ありがとうございます、エミリオさん!ではよろしくお願いいたします。」



 郵便局員はエミリオに丁寧に頭を下げた。



「大丈夫ですよ!ちゃんと隊長に届けますので、ご心配なく!それじゃあ失礼しますね!」



 そう言ってエミリオは元気よく郵便局を後にした。


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