りぼんほどく

りぼんほどく

歯型あるにんじんもらうgmailの誕生日じゃない数字が怖い

恋人のかたちでお湯が溢れだす身体の端と端を結わえて

わざと？って見抜いてほしくて訛ってる　わたしを好かない人ばかり好き

いれてだす揺さぶるこわす降りられない舟を見つけてかわいそうかな

あなたから始めたくせにとなじるとき鳥籠のように軋む肋骨

流木のように二の腕かき抱くこの体位だと溺れてるみたい

春うららティッシュ引き抜く軽やかさでセフレと言われてしばらく黙る

舐めてって命令形と同義じゃんベーコンアスパラほぐさずに噛む

膣のことなんて呼ぶ人？友達に恋人ができてまっさきに問う

精米所の立ち位置でいいどの街にいてもいちどはすれ違うくらいの

宛先を書かずに送ることだけがあなたにできる抵抗でした

切ったあとの電話があつい粘っこい涙が流れ切るまでは恋

配偶者は苗字で決めたい七海には高遠とかが似合うと思う

ささくれがちるちる揺れる新しい春があるならそっとめくった

欄干にまるく積もった雪をはらう窓辺に柚子を置いたら光った

ミシンのように刻む心音　生きたあと残る刺繍のかたちを決めた

世界という大きな額縁月光も雪もあなたの髪飾りになる

いつもそこにあるから海はとうとくて誤差だとしてもこれが初恋

忘れてください校歌のようにくちずさむことはなくても残りつづける

りぼんほどくように別れるさよならと口にするのは一瞬だった