轆轤首の宿

永嶋良一

神代（かみしろ）蒼汰（そうた）（お公家さん）

　京都にあるみろう出版の編集部員。独身の２６才。山之内明日香、佐々野隆司と同期入社。同期入社は彼ら三人だけで社内では三羽烏と呼ばれている。身長は１ｍ６０㎝。文系人間でほっそりしている。女性に見間違えられることが多い優しい顔立ちが特徴で、編集部では『お公家さん』と呼ばれている。ちょっと頼りない存在でいつも明日香に助けられている。明日香には淡い恋心を抱いている。

山之内明日香

　京都にあるみろう出版の社員。神代蒼汰、佐々野隆司と同期入社の独身２６才。去年の暮に編集長補佐に抜擢され、職位では蒼汰と佐々野の上司にあたる。三羽烏のリーダー的存在。身長は１ｍ７０㎝。ショートボブの髪形でパンツルックが好み。整った目鼻立ちが意思の強さを連想させる。

山縣桜子

　京都のみろう出版の編集長。３５才。大柄で、いつもミディアムヘアの髪を肩に流して、着古したグレーのツーピースに身を包んでいる。やり手の女性編集者として、京都の出版業界では名前の通った存在。親分肌の性格で部下の信頼はすこぶる厚い。

佐々野隆司（葬儀屋くん）

　京都のみろう出版の編集部員。神代蒼汰、山之内明日香と同期入社の独身２６才。高校、大学とラグビーをやっていた。１ｍ８０㎝近い体躯に日に焼けた精悍な顔つきが特徴。白のワイシャツに学生のような黒ズボンをいつもはいているので、編集部の中では『葬儀屋くん』と呼ばれている。茅根（ちね）綾香と東山の社寺を取材していて、綾香とともに失踪する。

茅根（ちね）綾香

　新進気鋭の女流作家。独身２６才。学生時代に有名な文学賞を２つ受賞し、東京の女子大を卒業すると同時に作家生活に入った。いまはプロの作家として人気が上昇中。身長は１ｍ７０㎝。女優にしてもよい整った顔立ちと清楚な長い黒髪が人気。東山取材中に佐々野と失踪する。

倉掛啓三郎

　著名な民俗学者。京都大学総合人間学部人間・環境学研究科の教授。人を寄せ付けない変わり者として、また変わったことばかりを研究する変人学者として一部の識者からは煙たがられている。身長は１ｍ７０㎝ほど。５０代なのに髪の毛がすべて白髪で顔には深いしわが刻まれているが、グレーのスーツをこぎれいに着こなしていて、なかなかおしゃれでもある。

西壁琴音

　京都大学倉掛教授の助手。独身の２３才。若くして倉掛教授の助手を務めるだけあって民俗学についてはすこぶる博識。身長は１５８㎝ぐらい。丸顔で少しふっくらとした体形。美人ではないが、いわゆる男性にもてる顔で、清楚でしかも温かみのある雰囲気を持っている。女性にも男性にも好かれるタイプ。いつもセミロングの髪にグレーのツーピーススーツで、リクルートの面接にきた女学生のような雰囲気を醸し出している。

蒼汰人形（ネグリジェ蒼汰、ワンピ水着蒼汰、パンスト蒼汰）

　琴音が呪文で創り出した、蒼汰にそっくりな３人の人形。琴音が、蒼汰の夢にでてきたネグリジェと水着とパンストを着せる。明日香がネグリジェ蒼汰、ワンピ水着蒼汰、パンスト蒼汰という名をつける。３人の蒼汰人形は本物の蒼汰と同じ能力を持っている。明日香の手違いで蒼汰人形は本物の蒼汰の命令を聞かないため、琴音が武器を造って、ネグリジェ蒼汰に弓を、ワンピ水着蒼汰に盾を、パンスト蒼汰に剣を持たせた。