よる

三夏ふみ

よる

「やぁ」


「なんだい そんなかおして」

「ぼくだって きみなんか きらいさ」


「だって ぼくをみつけると」

「すぐ わんわん なくじゃないか」

「ぼくは なにもしてないのに」


「それで すぐに おおごえで」

「まま まま ってさけぶじゃないか」

「ぼくは いつでも ひとりぼっちなのに」


「…」


「…なんだよ」


「もしかしてだけど」

「きみ ぼくとなかよく なりたいの?」


「…だったら」

「ともだちに なってよ」


「ほんと? ほんとのほんと」


「へへへ」

「ねぇねぇ きみは」

「なにいろが すき?」

「すきな たべものは?」

「すきな どうぶつは?」

「どんな あそびがすき?」


「ふふふ、たのしいな」

「そうだ だいじなこと わすれてた」


「ぼくのなまえは よる」

「きみの なまえは なんていうんだい?」

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よる 三夏ふみ @BUNZI

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