『大事な手帳』

 「秀樹は机の中を引っ掻き回し、黒い手帳を探していた。」

お話しは、こうして少し不穏な調子で始まります。

「住人が帰ってくる」前にみつけないといけない「黒い手帳」。


 「秀樹」とは?

「黒い手帳」とは?

何故、「住人」に見つからないように探さないといけないのか?

「手帳」にはいったい何が書かれているのか?


 読み手にいろいろ想像させる描写が続きます。


 「手帳」が「机」にあると「教えて」くれたのは、「仕事仲間の遥子」ちゃん。

皆に人気のある「遥子ちゃん」とは何者なのか?

何故彼女は「手帳」のある場所は知っているのか?

何故彼女は「手帳」を「秀樹」に見つけさせようとしているのか?


 いろいろな謎を産みながら、お話しは進みます。


 ある日やっと「秀樹」は「黒い手帳」を見つけます。

そこに書かれていたものは。


 まさか、こうくるとは!と思うのは、私だけではないはず。


 「手帳」を見つけた時、舞台になっている場所、二人の関係、なぜこうなったのかの謎が明らかになるのです。

またそこから、「秀樹」の周囲が理解のある人たちであると推察できます。

それはきっと「秀樹」自身が、誠実で思いやりのある人物だからでしょう。


 「黒い手帳」に記されていたものは、とても大切で一番大事にしておきたい真実でした。

これは悲しくも、愛おしい物語りです。


どうぞ、ご自身の目で「秀樹」と「遥子」の守りたかったものを確かめてみてください。


*******************


和響様作

『大事な手帳』より

探しモノ

https://kakuyomu.jp/works/16817330654508893376

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