『跡形』

 「春の気配を感じると蘇る記憶がある。」と始まるとても不思議なお話しです。

まず一人称で書かれているのに、「わたし」なのか「俺」なのか「僕」なのかは示されません。おそらく作者様が意図して隠されたのではないかと思います。

その為に語られる思い出はちょっと謎めいた空気を纏います。


 港町の風景、「集まった猫に食事を振る舞う」「銭湯の女将さん」。

「居心地のよさそうな喫茶店」の「桜の香りが仄かに漂う紅茶」。

そして「古書店」で購入したいわくありげな「古書」。

少しセピア色を感じる描写が絶妙です。


 この「古書」を巡って不思議な出来事が起こります。

どんな出来事なのか?

それは?

それはですね。

作品をご覧ください!


 タイトルを見返して、思わずもう一度初めから読みたくなるはずです。

テーブルに「桜の香りが仄かに漂う紅茶」など用意して。



 ◇ ◇ ◇


跡形

深川夏眠様作


https://kakuyomu.jp/works/1177354054893795283

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る