第191話 戦利品チェック

 官邸に使用法を聞きながら、中を調べた。


 バニーモンスターニュース。

 バニーモンスターランキング。

 バニーモンスターショッピング。

 メール。

 日記。


 その結果、このようなものがあることが分かった。


 えっ!?

 もしかして、これって他の星と通信できるのか!?


 すご過ぎないか!?


 これを解明できれば、高く売れそうだ!


 まあ、超社長をどうにかしないと意味ないけどな!



 そういえば、これにはGPSのような、俺の現在位置が分かる機能があったりするのだろうか?


 そんなの付いていたらマズいぞ!?


 ちょっと官邸に聞いてみよう。


「総理!このスマートフォンのようなものに、GPSのような装置は付けられていますか!?」


「えー、いいえ、存在しません」


 ないのか。

 良かった。


 居場所がバレて、刺客が送られて来ました!!

 なんて勘弁して欲しいからな。



 さて、まずはニュースから見てみようか。


 ええっ!?

 何をやってんの!?


 超社長が地球に城を築いたそうだぞ!?


 画像も載っている。

 美しい西洋風の巨大な白亜の城だ。


 超社長はしばらくの間、この城にいると言っているそうだ。


 ふむ、なるほど、超社長と戦うのは地球になりそうだな。


 って、ちょっと待て!

 この記事はいつ書かれたものなのだろうか?


 おっ、なんか日付らしき数字が書かれているぞ。


 ちょっと鑑定してもらおう。


「総理!この記事はいつのものですか!?」


「えー、2か月前です」


 2か月前か。

 あまり新しいニュースではないようだな。


 まだ超社長は地球にいるのかな?


 他に超社長関連のニュースはないのか?


 調べてみたが、このニュースが最新のものだった。


 あまり事件は起きないのか?



 他のニュースも見てみよう。


 どこかの星で原住民との戦争に勝ったとか、畑にバニーモンスターがたくさんできたとか、そんなのばかりだな。


 というか、明るい話題しかないな。


 これはもしかして、情報操作か?


 まあ、どうでもいいか。


 俺が気にしても仕方ないしな。



 次はランキングを見てみるか。


 バニーモンスターの個体ごとの貢献度ランキングや、星ごとのバニーモンスターの生産量ランキングが載っている。


 貢献度ランキングには、名前と点数が列挙されているだけだ。


 しかも、上位1万名しか載っていない。


 そのうえ、点数の内訳は書かれていない。


 順位の高い者は強いのかもしれないが、これではどんな能力を持っているのか分からないな。


 あまり役に立たないデータだな。



 生産量ランキングには、上位1万までの星の名前と、バニーモンスターの生産数が列挙されている。


 こんなに星を侵略しているのかよ……


 それにしても、異様にバニーモンスターの生産量が多い星があるな。


 この星は丸ごと畑になっていたりするのか?


 どうなんだろうな?



 では、次はショッピングを見てみよう。


 いったい何が売っているのだろうか?


 食料品、農具、武器などの画像が載っている。


 こういったものが取引されているのか。


 おや?

 バニーモンスターの画像も載っているぞ。


 バニーモンスター自体も取引されているのか。


 ん?

 これは何で取引しているんだ?


 どうやら物々交換みたいだな。


 バニーモンスターたちに貨幣は存在しないのか。



 次はメールを見てみるか。


 あれ?

 何にもないぞ?


 受信トレイにも、送信トレイにも、何もメールがない。


 これの持ち主は連絡を取る相手がいないのか?


 まあ、どうでもいいか。



 次は日記を見てみよう。


 愚痴が大量に書いてあるなぁ。


 この星の人たちにバニーモンスターを大量に倒された。

 領土を侵略された。


 他の星で会ったバニーモンスターが嫌なヤツだった。

 取引がうまくいかなかった。


 こんなのばかりだな。


 バニーモンスターも意外と大変なのかもしれないな。



 他に目ぼしものはなかった。


 では、事務室のような部屋にあったスマホっぽいものも調べてみようか。


 先程のものと、あまり変わらないようだな。


 日記は書いていないようだし。


 あれ?

 この木目調のスマホもどきが起動しないぞ?


 振っても、たたいても、なでても反応がない。


 どういうことだ?

 故障か?


 ちょっと官邸に聞いてみるか。


「総理!このスマートフォンのようなものが起動しないのですが、なぜですか!?」


「えー、それはまったく別のものだからです。起動方法自体が違います」


 別物だったのか。


 なら、これはなんなの?


「総理!これはなんですか!?」


「えー、これは星間転移おろし金というものです。他の星に移動することができます」


 ええっ!?

 これが!?


 全然おろし金っぽくないぞ!?


 どう見てもスマホだろ!?


 誰だよ、こんな名前を付けたヤツは!?

 ネーミングセンスなさ過ぎだろ!?


 って、そこはどうでもいいか。


 そんなことよりも、これは使えるのか?


「総理!この星間転移おろし金は使用できますか!?」


「えー、使用できます。起動方法は側面にあるボタンを押してください」


 ボタンを押してみた。


 星間転移おろし金は起動した。


 こっちは普通の起動方法なんだな!!


 よし、これでいちいちダンジョンを経由しなくても、他の星に行けるようになったわけだな!


 便利で素晴らしい!



 では、次は倉庫の中の箱を開けてみようか。


 アビスに倉庫の中のものを出してもらった。


 中に入っていたのは、バニーモンスターの種、金属のインゴットだった。


 いろいろな金属のインゴットがある。


 これは何に使うのだろうか?


 取引に使うのかな?


 まあ、そんなのはどうでもいいか。


 こいつは俺が有効に活用させてもらおう!!



 次はバニー白衣のいた部屋のものを鑑定してもらおう。


 まずはこのステッキからだな。


「総理!このステッキはなんですか!?」


「えー、これは怒浮気力コントロール装置です。名前通り怒浮気力をコントロールできます」


 怒浮気力コントロール装置!?


 なんでそんなの作ってんの!?


 って、クアドラプルバニーランクのヤツを、あんなボロクソにするようなものなんだから、対策くらいは立ててくるよな。


 さて、こいつはどうしようか?


 特に思い付かないな。

 とりあえず、アビスに収納してもらおうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る