第17話 ポイズン
帰宅した。
今日もお疲れ様。
一息ついたら、夕飯の用意をするか。
今日倒した連中を、刺身にして食べてみよう。
ん?
そういえば、このウサギ耳は食べられるのか?
ちょっと官邸に聞いてみた。
食べられないそうだ。
では、取り外すか。
さあ、調理を始めよう。
包丁さばきがうまいわけではないから、少々不格好になってしまったが、バニーシシャモ、バニーサンマ、バニートビウオの刺身が完成したぞ!
バニーシシャモはキレイな白身だな。
バニーサンマはちょっと赤いぞ。
バニートビウオも白身なんだな。
どれも、とても美味しそうだ。
さらに、この刺身を白米の上に乗せて、海鮮丼にしてみたぞ!!
こいつはうまそうだ!
後は、アツゲ・ショウシテソウでサラダも作ったぞ。
さっそく食べよう!
いただきます!!
バニーシシャモはやわらかくて、脂の甘味が美味しい。
バニーサンマは脂が乗っていて、ジューシーで素晴らしい。
バニートビウオはモチモチして、あっさりとした味わいでうまい。
みんな味も食感も違っていて、面白いし美味しいぞ!
これは大満足な一品だな!!
ごちそうさまでした!
さて、明日は仕事か。
ダンジョン探索が順調だから、だんだんと今の仕事に時間を取られるのが、煩わしくなってきたよな。
そろそろ辞めてダンジョンに専念すべきか?
いや、でも、まだお金を稼ぐ当てがないかならなぁ。
もうちょっとお金を稼いで、転職の用意が完璧に終わるまでは、今の仕事を続けるか。
仕方ないよな。
それじゃあ、今日はもう休むか。
約1週間後。
さて、今日は仕事が休みだ。
ダンジョンへ行こう!!
前回のダンジョン探索で、プロテクターに傷が付いたから新調したぞ!
しかも、前のよりも値段が高くて、性能の高そうなものを全身分買った!
タクティカルヘルメットというものも買ったぞ。
色は黒を基調にしたものだ。
俺の懐にかなりのダメージだったが、仕方ないよな。
では、出発だ。
今日も3階を探索しよう。
おおっ!!
あれはカードだ!!
木に引っかかっているぞ!
さっそく拾って、見てみよう!
ええと、名前は『ポイズン・ロール・茶色蛇・マキ』だそうだ。
また妙な名前だなぁ。
ポイズンということは、毒蛇なのか?
その下には、とぐろを巻いた茶色の蛇の絵が描かれていた。
ソフトクリームみたいなとぐろだな。
うん、その、なんというか、アレにも見えるな。
だから名前に『マキ』が入っているのか!?
さらにその下の部分には、こう記載されていた。
レベル …… 今日も出て来なくて、とても悲しい。
強さ …… くっ、今日はキレが悪いな!?
頭脳 …… この形は!?悪くはねぇな!
速さ …… これは、とても残念な感じですねぇ!!
幸運 …… この色ツヤは!?普通だね。
特殊 …… 毒が効かないのです!!
特記事項 …… なんとーー!何もありませんよ!!!
ええ……
なんだこれは?
いつも以上に意味が分からんぞ。
なんだかある場所を連想するような記述だけどな。
まあ、そこはどうでもいいか。
それより毒が効かない能力を持っているという方が重要だな。
何かに使うのだろうか?
ダンジョンの中に、毒ガスが発生している場所でもあるのか?
ううむ、どうなんだろうな。
まあ、良いか。
では、召喚してみようか。
ポイズン・ロール・茶色蛇・マキが出て来た。
絵の通りに、とぐろを巻いているぞ。
しかも、その状態で空中に浮いているぞ。
なんでだろうか?
まあ、どうでもいいか。
太さ3センチくらいの蛇だ。
とぐろの高さは12センチくらいだな。
では、話しかけてみるか。
「初めまして、俺は角野当也だ。トウヤと呼んでくれ。よろしく」
今回もフレンドリーな感じで話しかけてみた。
「うむ、よろしく。私はポイズン・ロール・茶色蛇・マキだ。呼ぶ時はポイズンでいい」
ちょっと偉そうな感じだな。
「ああ、分かったよ。ところで、どんな毒も効かないのか?」
「うむ、あらゆる毒は私には効かない」
「おおっ、それはすごいな!そういえば、ポイズンは毒蛇なのか?毒はあるのか?」
「いや、私自身に毒はない」
毒はないけど、ポイズンなのか!?
まあ、どうでもいいか。
それでは、カードに戻ってもらって、腰に貼ろう。
よし、では、先に進むか。
あ、これは!?
やはり3階にもあるのか!?
黒い金属製の大きな両開きの扉を発見したぞ。
これはボスの部屋の扉だよな。
では、中を覗いてみようか。
そっと扉を開けてみた。
中は植物のまったくない洞窟の大部屋だな。
な、なんだあの化け物は!?
あれがボスなのか!?
部屋の中央に奇妙なものがいた。
多種多様な色のウサギの耳が、全面に生えている球体だ。
黒、白、ピンク、青、緑の耳があるぞ。
不気味なヤツだな。
直径はウサギの耳を含めて4メートルくらい。
ウサギの耳の長さは1メートルくらいだな。
耳はピンッと伸びていて、先がとがっている。
相当硬そうなウサギ耳だな。
もしかして、あれはウニなのか?
とりあえず、あいつを『バニーウニ』と呼ぼうか。
さて、ボスの見物は終わりにして、先に進むか。
こいつと戦うのは2階のボスを倒してからだな。
おっ、これは!!
上に続く階段を見つけたぞ!
ということは、このダンジョンは4階もあるのか。
先は長そうだなぁ。
まあ、焦らず地道に攻略していくしかないか。
俺はマップに記載して、先に進んだ。
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