陰キャなのでつつましく生きていきます

@iidazyunn

第1話 登校

この物語は会話がほとんどありません。

ほぼ主人公の心の声で進行します。

神の声は()で書きます。

はじめての投稿で右も左も分かりませんが多めに見てアドバイスしてやってください


よっこらしょっと、今しかないんだこの機会を逃すと次はいつ来るか分からない、こんなチャンスもう二度と来ることはないだろう…

                心に決めたよ!


太陽がまぶしく照らす寒い冬、この季節は寒いが太陽の光が温かく外に出ると夏では味わえない太陽の気持ちよさを存分に感じることができる、この光を存分に浴びながら今日も登校する。

「んどりゃー--------」「急げぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

そんな流暢なこと言ってられねーんだよ、そんな日の光を感じながらの登校なんてよっぽど余裕がないとやんねーよ、ちこくしてしまうぜ、ほらワンツーワンツーワンツーワンツーいちにいさんはい!ワンツーワンツーワンツーワンツーリズムに合わせて右左右左走っていくぅ「つれーよ」「疲れたぁ!」

お!ようやく学校の近くまでこれたよ、それでは歩幅を小さくして下向けー下!そして両手はバックの肩のひもを握って完成だ!自信なさげな陰キャ歩き、ほんとに人前じゃ叫びながら走れないよ、途中に誰もいない一本道があるからそこが唯一のストレス発散場所だな。

しかしみんなそろいもそろって誰かと話しながら登校してやがる、俺だけじゃん一人で登校してるの、みんな自然に当たり前のように友達を作って学園生活満喫しやがってありえねー、なんでみんな話せる人とかいるの?おかしいだろ、まあ自然にできないから俺には一人もいないんだと思う。

世の中の大半のことが俺にはうまくできない、それは友達を作るにしてもだ、たぶん皆が過程をすっ飛ばして話してるうちにその過程がうまく伝わらなくなっているのだろう、例えば 歩く という言葉だがこれはまず両足だけを地面につけて体の体重を両足で支え体を起こし、片方の足を上げて、もう片方に全体重を乗せながら浮いてるほうの足を体重を支えてる足よりも前において、そしてその足に今まで支えていた足から体重を移動して全身をささえるそして体重を移動して自由になった足を今体重を支えている足よりも前に出す、それを繰り返すことが歩くということなのだ、この作業を人々は皆歩くと一言で表してしまう。

なんとか学校についたな、席にはゆっくりと椅子を引いて目立たないようにそっとカバンから肩を下ろし上着を脱いでから席に着く、いつもは椅子を引かずにカバンと上着を置いてトイレに行くが時間がない。

ホームルームが終わる、っち今日は一時間目から体育かよ、まったく走ったんだからもういいだろ。

陰キャあるあるだと思うが体育は地獄そのものだといえるだろう、ほとんどの場合それが球技であり一人ではできないものだからだ。

就職活動などではチーム競技の経験があると採用されやすいらしい、チーム全体のために動けるからだそうだ、俺だったら絶対に採用しない、そんなチーム競技なんてやってるやつのほとんどが最初からサポート役に回りたくて始める奴のほうがまれであり、社会人になっても結局才能なく補佐役に回られられたとき、もうその人の心は光を失い全く使えなくなると思っている、この俺のような孤独に耐えられる力をもって黙々と働くやつを自分だったら雇うがね。

今日は野球か

「やろうぜ」「おい!こっち来い」「今日はあいつ休みか、お前やろうぜ」「アハハはん、でさー…」

早く集まってキャッチボールをするのが決まりなのだ、クッソ、皆すぐに組ペアが決まりやがる、まあゆっくりグローブ選ぶ振りでもしておくか。

キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン

よしチャイムだ!難を逃れたぜ

「お前らちょっと待ってろ、キャッチボール続けててくれ」

おいおいおいおい、ありえねーちゃんとしろよなんだそれ、ごめんぐらいあったっていいんじゃないの?キョロキョロ、余ってるやついないじゃんってお前ら!

何三人で回してんだよふざけるな!俺が余ってんじゃんかよ!はぁー、絶対こういう見て見ぬふりするやつや周りが見れない奴には絶対なりたくないね、おかげでおれは端っこで突っ立ってることしかできねーじゃんかよ。

あぁぁぁ、先生こっちみた!あああ見て体育倉庫に入ったよね!もうやめてよ、こっちみんなよ、先生だけは見なかったことにしろよ見て見ぬふりをしておけよ!

「はいみんなーいったん集まって」

おせーよ先生!

「号令!」

「きおつけー、礼!」

「お願いします!」なるべく小さい声で「お願いします」

数ある言葉を発することのできる少ないチャンスだ、この個人を声を識別できるぎりぎりの声の大きさを狙うのが毎回の楽しみよ。

あとはゲームが始まり守備の時はいち早くどこでもいいので外野に行って、打つときは呼ばれるまで端っこで待ってりゃいい、無視されたら無視されたでそれでよかった、第一打てないし球も拾えない投げる距離も短いルールもよくわかんないで、俺が出ようが出まいがチームに関係ない、いないも同然、むしろいないほうが貢献できる。

俺は野球はやるより見るほうが楽しめる、自分と違ってみんなのプレイは見ていて爽快なものだ、例えばボールを投げるのだってふわっと投げているように見えてめちゃくちゃ遠くまで飛んでいくし、バットに当たれば信じられないような距離をたたき出す、これがコンピューターゲームのように見えて面白い、自分だったら全力で打っても投げても女子より飛ばない、絶対に筋肉量は女子よりは上のはずなのに。

なんとなく理由は分かっている、それは今まで運動やスポーツ、その中でも球技を学校の授業以外でやったことないからだ、それに授業だってまじめにやっていない、これは読解力と同じで幼いころからの積み重ねによって変わるものだろうと考えている、だから俺には球技能力がゼロに近いのだろう、まったくもってできないのはこのせいだ。


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