第7話 自称雷帝の訪問7
ならば、いっそのことと想ったのである。どのみち、淫乱な王女との噂を立てられるならば、少なくとも目的を達さなければと。何も得ずに戻ることは、ありえなかった。
私は再び、きびすを返した。今更、宮女に前ボタンをつくろいなおさせる気もなかった。一人に見られたのなら、何人に見られても同じである。
そのまま大股で謁見室の扉の前に至ると、そこの護衛に、怒りもあらわに手で向こうに行けと合図する。護衛にとっては八つ当たりに他ならぬが。その者も、私のまさにコンニチハせんとする乳を見るだけ見て、しっかりあそこをおっ立てたので、申し訳ないという想いは、すぐに雲散霧消した。
護衛は戸惑うこと無く、すぐに従った。
瞳の色ゆえか?
顔を知るゆえか?
やはり私と分かったのだ。
もう、それはどうでも良い。
目的のもの。
それを手に入れるために、私は扉の隙間に耳を押し当てた。
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