10話 班決め
研修旅行3日前。
俺達には一大イベントがあった……
そう、班決めである。
研修旅行の移動や行事を共にする仲間決めなので誰もが緊張すると思う。
そういう俺も三日月さんや蓮達と一緒になりたいため、鼓動が速まっている。
班決めの前の休み時間が始まってすぐ、担任がくじ引き用の箱を持ってうきうきで入ってきた。
「みんなおそらく研修旅行の班決めがあるから緊張しているだろう!
今回はくじ引きだから自分の運次第だ!
誰と同じ班になっても本気で取り組むんだぞ!」
ちなみに、俺らのクラスの担任は熱血系である。
ただ、無理強いをしてきたりするわけではなく、生徒思いの優しい人だ。
体育大会とかは不安だけどな。
そう思っていると、三日月さんからメールが届いた。
アドレスは繋いであるのでメールが届いてもおかしくないのだが、普段学校では話すことの方が多いため少し驚いた。
[一緒の班になれたらいいですね!]
ただ一言なのだが、嬉しくなる。
「優真、何ニヤニヤしてるんだ?
どうせ写真かメール見てるんだろ?」
「ニヤニヤなんかしてねぇよ
お前は凛と同じ班になれること願っとけ」
見抜かれたが、まあいい。
(学校ではメールみないようにしなきゃな)
そう思っているとチャイムが鳴った。
クラスの緊張感がいっそう高まる。
悪魔のくじ引きが始まった……
――――と思っていたのだが、うちのクラスは39人であり、一班5人のため一つ4人の班ができる。
なので4人組を担任は募集したのだが、なかなか人は出ない。
その時蓮が手を上げた。
「なら俺達4人で行きます
俺と蓮と優真と三日月さんで!」
その瞬間教室の空気が固まった。
先生は良い心がけだと嬉しそうにしていたが当然男子からはブーイングが出た。
それはもちろん三日月さんがその班にいるからである。
みんな口々に文句を行っていると、
「お前らどうせ三日月さんと一緒になりたいだけだろ?
もめたら三日月さんに嫌われるだけなんだから、恋愛なんて興味なさそうな優真入れるのが一番じゃん」
蓮が一喝した。
まだ文句を言っている人はいたが、大半は素直に黙った。
「よし、ありがとうな三上。
改めてくじ引きを始めるぞ―」
ゾンビのようになった男子を気にせず先生はくじ引きを始めた。
蓮がアイコンタクトしてきたので、とりあえず拝んでおいた。
「たまたまいい感じにまとめられたから良かったものの…… 拒否されたらどうするつもりだったんだ?」
放課後、蓮に気になったことを聞いてみた。
「いいじゃんか。
俺だって凛と動けるし、お前は三日月さんといられる。
Win-Winだからオッケーだ」
「いや、でも……
まあいいか、ありがとうよ」
そうして俺達は同じ班になることができた。
「告白するんだろ…… 頑張れよ」
蓮がそう言っていたことには、俺は気づけなかった……
「えへへへへ…… 優真くんと同じ班……
三上さんと凛ちゃんには後でお礼しないとですね」
「俺も一緒の班で嬉しいよ。
研修旅行ではスキーあるんだったよね、三日月さんは滑れるの?」
「もちろん滑れますよ」
なんてこった。
俺はスキーをやったことなんて当然ない。
三日月さんが他の人と滑りにいったりしたらどうしようか。
「大丈夫です。
私は絶対に優真くんを見捨てて遊んだりしません」
なんて思っていたが、三日月さんに心の中を見透かされた。
そりゃそうだ。
俺が将来の奥さんを信じなくてどうする。
「そうだね。
頑張るから一緒に滑ろうか」
「優真くんと一緒に滑っていた時に転んでそのまま抱きしめあう…… えへへ」
「三日月さん?」
「いやなんでもないので大丈夫です」
顔を赤くしてあわあわとしていた様子も可愛くて、聞くのを諦めてしまった。
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part10
なんと…… なんと!
三上さんや凛ちゃん、そして優真くんと一緒の班になれたのです!
班決めは本来くじ引きだったのですが、三上さんが機転を利かせて同じ班にしてくださったのです!
これには思わずスタンディングオベーションしかけましたが、なんとか抑え込めました。
研修旅行では、観光の他にスキーまで!
スキーはあまり好みではなかったのですが、練習しておいて良かったです。
優真くんは、スキーをしたことがないらしいので私がリードしてあげなくてはなりませんね!
あと3日…… 長く感じちゃいます。
早く時が過ぎてほしいです。
今日も良い一日でした。
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お読みいただきありがとうございました!
自分が投稿していなかった時に1000PVを突破していました!
ありがとうございます。
忙しさで投稿を諦めていましたが、心機一転頑張らさせていただきます。
今回は話が短くなってしまいましたが、次回からまた長くしていきます。
次回もよろしくお願いします。
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