この大学青春モラトリアムはR-陽キャ指定(陰キャ禁)である
お茶の間ぽんこ
ループ1
プロローグ
第1話「フラれる × ヤケ酒 = あの世に行く」
腹から込み上げてくる
とどのつまり、僕の恋路は終着点を迎えた。
「あきらくんの気持ちはとても嬉しいのですが…ごめんなさい」
一年生の頃から想いを寄せていた同じサークルの
蓬川さんは、昨今右肩上がりで増え続けている童貞大学生であれば心を射止められるであろうその容姿と振舞いで、数多くの男を玉砕してきた。例に漏れず僕も魅了され、そして見事に敗れたのだ。
蓬川さん攻略のために、彼女にお願いされたことは最短時間で遂行し、おねだりされた物は数万円かかるものでも必死にバイトで稼いでプレゼントしてあげた。
彼女も「ありがとう!あきらくんって、今まで会ってきた人の中で一番優しいね。私そういう人好きだな」と、ナンバーワン宣言のみならず、好きだと言ってくれた。
これは、もう彼女の心中で「早く告ってきてよ。これ以上優しくされるとあきらくんを見る度に顔が真っ赤になっちゃって愛が溢れ出ちゃうよ」とでも思っていたはずだった。
しかし、女心は分からないな。今さっき示した陳腐なご回答によって、攻略のために積み上げた布石はいともたやすく薙ぎ払われた。
だが、フラれた理由は至って簡単だろう。
それは僕が童貞拗らせ陰キャだからだ。きっと来世があっても魂に宿る陰のオーラは消し去ることができず、どう足掻いても陰キャライフを送るしかない。
僕は下宿先の近くにあるコンビニで半ダースの500ml缶のビールを仕入れて、誰も迎えてはくれない下宿先に帰り、暗闇の中、手探りで電源を探し電気を点ける。
缶を開けながら、同じサークルの男友達である
通知を開くと「【朗報】俺、優奈先輩と付き合うことになりました!!」という文面が見えた。
仙田は、僕が蓬川さんに告白すると伝えると、サークルの一学年先輩である
ちなみに仙田は入部したての頃に天城さんに告白して振られているので、二回目のアタックになるわけで、成功するとは思わなかった。
しかも、彼は天城さんに振られた後も蓬川さんにはもちろん、他の女部員に手当たり次第に告白していて(誰もYesとは言わなかったが)、「スタンプラリー仙田」の異名で呼ばれるほど女部員からは毛嫌いされていた。
その通達によって僕の心が一層黒く染まり、買ったビール、家に置いてあるウィスキーや梅酒を浴びるように飲み、飲み、飲み、そして意識はプツンと切れた。
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