男子高校生、本を書く。

文屋の田中。

1日目 定期テスト

中学生の頃まではそれが全てだった定期テスト。

高校生になると、評定なんて関係ない。そんな気持ちが高まって、定期テストに本気を出せなくなる。

とは言っても、進級のため、親を悲しませないように対策を講じる。

テスト二日前。

動画投稿サイトで見ることのできる無料の授業動画。

僕は授業中、いつかのアインシュタインのように空想に耽っているので、範囲を理解するところから始めなければならない。

二倍速で、範囲を一通り見終える。一教科につき、野球の試合が一試合終わるくらいだ。

学校で数ヶ月掛けてやる範囲を、野球の試合が終わるくらいで理解し終えているのだから、学校の存在意義については、後に議論が必要そうである。

取ったノートを枕にして、睡眠学習。

明日になれば全て覚えているだろうか。いや、そんなことがあれば某猫型ロボットは不要だし、望みさえすればみながあの赤い門をくぐり抜けられるな。

そんなことを考えながら床に着く。

テスト前日。

友人から貰ったテストの過去問を解く。

作成者は同じ先生のことが多いので、傾向も似てくる。

解いてみると、なんだか赤いボールペンで綴られた文字が多い。

赤いボールペンで綴られた文字を、今度は黒ボールペンで綴り直す。

今までの学習内容を見返して、寝る。

テスト当日。

当日と言ってもテストは一日に二教科ないしは三教科が一週間程続く。

テスト開始。

空欄は無くすのが僕の主義だ。

テスト終了。

周りの生徒たちはすぐに結果について話し始める。

保険を掛ける人間。

自慢を始める人間。

テスト終了後は人間の嫌なところが目に付きやすくて嫌いだ。

ちなみに自分は勉強不足すぎて自分のテストの結果すら予想できない。

当日は昼を食べることなく午前中で帰宅。

帰宅後。

最近は料理を作っている。

理由は単純明快。

暇なのだ。

今日は何を作ろうか。

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