4.おわりに
と、いうわけで、本日より開始の「サポーターズパスポート」の活用についてのお話でした。少し長くなってしまいましたがいかがでしたでしょうか。
最後に、ちょっとだけ毒の入る話を書いておきます。
数年前、自分は「面白い作品がない」「この体たらくなら自分で作った方がいいわ」という考えで、一度も書いたことのない小説を書き始めました。ただ、見る側としての見立ては良いのですが、いかんせん書き手として作ったことが無いため、そのあたりの変換で、大分苦労をしました。
その間、残念ながら創作はずっと停滞しています。面白いと思うものは全て一定以上過去に出た作品です。
しかも、数十年ではない、ほんの十年、いや五年程度前の作品のことすらあります。ここ五年間で創作全体の質ははっきり言って落ちてしまった。そのことについて自分は意見を変えるつもりは絶対ありません。
その主要因がなんなのかは色々なものがあると思います。けれども最終的にその「停滞した創作」を世に出しているのは出版であり、創作の業界です。その業界に自分はほとほと愛想が尽きています。
これは自分の予想ですが、恐らくは「とっくに愛想が尽きて離れてしまった」という人は多いと思います。自分みたいに沈んでいる船に乗っているのは思い入れがあるか、沈んでいることに気が付かないかのどっちかです。
きっと今、船に乗っている人は、沈んでいることに気が付かずに、操縦桿を握れているという優越感だけで生きているのだと思います。
自分は、その「船を沈める人間たち」から操縦桿を取り戻したいと考えています。そのためにずっと動いてきたつもりです。しかし、この空間が心地いいか、現状を打破しようとしない人々ばかりが残っている状態ではなかなか響きませんでした。
もし、本稿を見たのなら。もし、今の創作、なんならネット小説でも構いません。それに違和感を持っているのであれば、是非力を貸していただきたい。今の業界が駄目ならば「新しい業界を作って、今の業界を支配下に置く」自分はそれしかもう道は無いと思います。内部からは変えるのははっきりいって難しい。
長い話になりました。正直「これってどう?」と聞かれれば答えられる事案はいくらでもあります。
はっきり言いますが、自分が見てきた限り、自分よりも創作についてよく分かっているなとおもったのはひとりだけです。そのよく分かるたったひとりは今の創作に呆れて一切追わなくなってしまいました。
天才は去り、凡人が市民権を主張する。それが今の出版や創作界隈だと言っていいでしょう。その状況はなんとしてでも打破しなければならない。
そうしなければ、数十年後には、海外基準の、良く分からない規制の入ったつまらない作品ばかりが出回って、ここまで日本で培われてきた文化が崩壊する。そんな未来も普通に起こりえます。これは決して世迷言ではない。自分はそう確信しております。
全ては机上の空論です。しかし、その机上の空論が決して間違ったことを示唆していなかったことは過去から明らかです。
「覇権にはなれない」と評したLINEノベルは数年でサービスをたたみ、「海賊版サイトとの争いは勝者のないいたちごっこである」であり、「撲滅は不可能」と「漫画村騒動」について論じた数年後に昨年「漫画村」よりもはるかPVを稼ぐ「漫画BANG」が登場しました。自分はなにもでまかせを言っているのではないのです。
パクりに関してもこれからどんどん騒動や、「心配だ」という発言が増えるでしょう。しかし、これは創作が一体どういうものであるかを理解していれば「当たり前」のことなのです。
それらのことを一切理解せず、「ネット移民」であるから現代の「若者」にアプローチすらできない“ロートル”に、自分の好きなものが壊されるのが我慢ならない。それが今の自分の率直な意見です。
きつい表現になりますが、これでも大分マイルドにしたつもりです。そのあたりの忖度無しに書いた話も更新してきたいなぁと思っております。まあ辛口とした評価でも「辛口としているけど優しい」と評されたくらいなので、結局柔らかい表現になってしまうかもしれませんが。
長くなりましたが。お付き合いいただきありがとうございました。「サポーター」になっていただけなくとも、この記事に目を通して少しでも「創作の未来」について思いを馳せていただけたら嬉しいです。もちろん、サポーターになってくれたらもっと嬉しいです。それもまた本音。
それでは、またどこかでお会いしましょう。
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