休日に出掛けたのだが
––– 今日は休日。俺は街のショッピングセンターに足を運んでいた。
目的は本屋。
それは、『僕のおくさん』という小説が爆発的に流行っており、機会があれば読んでみようと思っていたからだった。
『いらっしゃいませっ!』
レジカウンターの従業員が元気よく挨拶してくれる。俺はそれに会釈を返すとオススメ小説のコーナーに向かった…が。
山積みされた目的の小説と共に【今月の意地押し! 『僕のおくさん』】というPOPが… それに続き、
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https://kakuyomu.jp/works/16816927859461246133
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という、謎のメッセージが添えられていた。
…意地でもオススメ?って事? POPをクリックとは? まさかの最新技術?!
などと、思いながら小説に手を伸ばした時だった。
『『あっ!!すいませんっ!』』
俺の声と重なった女性の声。
小説に伸ばした指先が、その人の手に触れてしまったのだ。
気まずさを抱えながら、その人の顔を見た時だった。俺は驚きと共に呟いていた。
「…… 〇〇ホールディングスのお嬢さん?」
『えっ、あっ! 確かケンタウロスさんでしたよね?!』
「……
『奇遇ですね♪ ヒノモトさんも、この小説をお求めに来られたのですか?』
「…はは、そうなんですよ」
『あら、大変… 遭難されたのですね?! ご無事で何よりでしたわ』
そう言い、弾ける笑顔を浮かべる〇〇さん。それは、
『そうだ、先日はケーキ有難う御座いました。お霊と言っては何ですが、お時間あればコーヒーでも如何ですか?私の奢りで♡』
––– ああ、嬉しくてゾクゾクする?
「はい、喜んで。ですが、支払いは割り勘にしましょう。あのケーキは会社の経費で買ったので…」
『うふふふふふ、ケーキと
…… なんだか、特殊な笑いのツボがあるんですね?
こうして、少しの間だったがショッピングセンター内のカフェで楽しい時間を過ごした。流石に連絡先を、、などと図々しい事は聞くことも出来ず、その日は別れ自宅への帰路に着くことになった。
そんな中、俺は楽しみを覚えていた。
「今日のツイートは、なんて書かれているんだろう?」と。
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