第20話 ここも欲しいのじゃ♡



 パチェの住むリリアス城に来た俺たち一行は、リリアス城に滞在することになった。

 エリス様の事を眷属の俺達より下としていた宗教は、腹が立ったので天罰の事を話したら変えてくれた。


 やっぱり言えば分かってくれるもんだ。脅迫?違うよ?エリス様が怒らないようにしてあげただけだよ?


 それに飯も用意してくれる(用意させた)と言うし、結果的には良かったのかな?



◇◇



 パチェの住む区画は流石は神扱いされているだけあって、神殿のような神聖領域となっていた。つまりは普通の人は入れない。


「ここからは、眷属様と王族しか入れない神聖な領域となっています」


 ここまで案内してくれたのは、ここにくる途中に助けたルリ姫だ。


 ルリ姫は見た目は中学生くらいで、綺麗な茶色の瞳に茶髪のショートカットが似合う可愛い女の子だった。もちろん胸は壁だ。


「……何か?」


 俺がルリ姫の胸を凝視していたのを見られたかのかもしれないけど……察しが良すぎない?


「いえ何も?」


「私の眷属としての部屋もこの先にありますのよ?アリマ様?」


 パチェがこの先を案内してくれるそうだ。ルリ姫もついてくるみたい。


「アニマ、いえアリマ様にご指名を受けた身ですから……このルリ、どこまでもお供いたします♡」


「ありがとう、ルリ姫?」


 ……どこまでも?……ってどこまでだろうか?……まさかね?


「冷や汗が出ておるぞ?どうしたのじゃ?婿殿」


「あはは……何でもありせんよ?エリス様」


 神殿の奥の通路を歩いて行くと居住区という場所に到着した。


「ここ居住区には眷属様と同じだけの数の部屋をご用意しております」


「同じ数?というと7人?」


 ドラゴン〇ールだとすると7人だよな?


「はい、そう聞いておりますが?」


「それは間違っておるぞ?眷属は婿殿も入れると最大で11人じゃ」


 え?……11人いる?いたっけそんなに……。


「ええええ?そんなに居られるのですか?知りませんでした……」


「そういえばこの間、マリ姫を眷属にしていただいたから一人増えてますね?」


「……増えた?眷属様って増えるのでしょうか?」


「それは増えるでしょう?女神様の眷属だもの」


「大変です。部屋が足りません! 汗、汗」


「あー、わらわの部屋はいらんぞ、婿殿と同じ部屋で寝るからの?」


「え?ええ?……そ、そうですよね……ご夫婦ですものね?……っわ、分かりました!」


 ルリ姫は何を想像したのか、顔を赤く染めていた。


「あの、お部屋はご自由にお使いください!」


「で、では!お食事の用意が出来ましたらお呼びいたしますので!」


 と言ってルリ姫は赤い顔を隠しながら行ってしまった。あ、お風呂は?


 と、言う訳で部屋は7部屋あるらしい。そのうち一部屋は、パチェが使用中で残り6部屋という事になる。俺達は護衛のティナ姫と御者のマーニャにペットのドラ子も入れれば総勢10人となってしまうので部屋割りが必要だ。


 まずは、俺とエリス様で一部屋。


 次がマリ姫とティナ姫は姉妹なので一緒に。


 御者のマーニャとドラ子は一緒に寝てもらうとして、あとはプリステラとリリムとパーラは一人部屋にしてもらおう。


 パチェも含めて、眷属達はなるべく一人部屋になってもらった。


 特に意味は無い。パーラとパチェについては、まだ眷属解放していないので……という考えもある。


 取り合えずは、皆に与えられた部屋に行ってもらって、旅の疲れ?を癒してもらう事にする。


 俺も部屋を確認してみたけど、ベッドは広く3人くらいは余裕で寝れるくらいの大きさの天蓋付きの豪華なベッドだった。


「さすが神様の部屋って所か?」


 この国ではエリス様の眷属は神扱いされていたのだ。


 眷属には俺も含まれるが、ルリ姫が眷属は7人と言っていたところを見ると……数には入ってなかったみたいだ。 当然と言えば当然の話で、俺とマリ姫に関して言うと新しく眷属になった新眷属ニュービーに当たるからだ。知る訳が無いわな?


 俺としては眷属も見つかったので、サッサと新しい眷属を探しに行きたい所だ。


「なかなかの部屋じゃの?」


「エリス様も気に入りましたか?」


「そうじゃのぅ、神殿というだけあって、聖なる気に満ちておる」


 神気ってやつだっけ?


「それにこのベッドが良い!婿殿!来てみるのじゃ!」


 天蓋付きベッドには枕元になにやらスイッチがいっぱい付いていた。


 えっと……これに見覚えがあるんだけど……どこだったかな?行ったことは無いんだけどドラマとかでよく見るタイプの……?


 エリス様がボタンを押すと、部屋が暗くなり、天井いっぱいの星空が見えた。


「おおぅ……綺麗じゃ」


 次のボタンを押すと、部屋の照明が紫に変わり……エッチなムードたっぷりの部屋に様変わりした。


「なんか……変な気分になるのう婿殿♡」


 これってやっぱり……ラブホテルの機能じゃねーかよ!?何してんの?神様の部屋だよ?ラブホじゃないよ?


 と、いう事は……部屋にはプライベートなお風呂が?ありました。


「エリス様?お風呂がありましたので……入りますか?」


「入るのじゃ!」


「それじゃお湯を入れますね?」


 よく見ると石鹸やら体を洗うタオル、バスタオルなど、至れり尽くせりの設備が整っていた。


「うん、これはホテルだな」


 サービス満点だ。ということは……他にもサービスがありそうだな。


「婿殿気に入ったぞ。ここを第二のわらわの国とせよ!」


「でも、すでにエリス神聖国はエリス様のものですよね?」


「ここも欲しいのじゃ♡」


 マジですか?うわぁ……これって侵略になるんだろうか?


 戦争?にはならないよなぁ。俺がガン〇ムだもんな?


 ガン〇ムに例えるとMSモビルスーツの無い国に、突然ガン〇ムが来たような物だからな?


 戦争にすらならない。別にいいのか?この国乗っ取るか?


 そんな事を考えていたらお風呂が沸いたのでエリス様を呼ぶ。


「エリス様お風呂の用意が出来ました」


「では入ろうかの婿殿♡」


「え?一緒にですか?」


「当たり前じゃろ?これは新婚旅行じゃ♡一緒に入るのが婿殿の務めであろう?」


「あはは、そうですよね」


 エリス様は既にバスタオル一枚となっているが、ロリ体型なので特に隠す場所は無い。

「では、ご一緒させていただきます」


 お風呂は入浴剤も用意されていたので入れてみると、バラのような香りのするハーブ湯みたいで良い匂いがした。


「うひゃ!これはいい湯じゃ♡」

「そうですね。香りも良くて……売ってる所を教えてもらいましょうか?」


「買ってこさせれば良いのじゃ」


「でも、自分で買うのも楽しみですよ?デートみたいで」


「デート?そうじゃの考えてみてもいいかの?」


「お背中流しますよ?」


「たのむぞ婿殿」


 エリス様はそう言うと、ザバッと湯船から飛び出すと、裸で俺の前に座った。


「あの……こっちを向かれて見つめられると……変な気持ちになりますので」


「背中じゃったか?こうか?」


 エリス様はそう言うと背中をこっちに向けてくれた。


 ちょっと危なかった。もう少しで理性が飛ぶ所だったよ。


 それからエリス様の小さな背中を石鹸を付けたタオルで入念に洗ってあげた。


 そうしたら全身洗えというので……全部洗ってあげました。なんとか泡でセーフ?


「なかなかの腕じゃったぞ婿殿、また頼む♡」


「はい♡ 喜んで♡」


 ……俺の理性が持つかはまだ分からない。






あとがき


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