第18話 別にお礼なんていらないよ?
盗賊から助けた3人はどうやらこの国リリアスの関係者だったので、とりあえず竜車に乗せたまま次の眷属のいる都市リリルメリアへ向かっている。
「そういえば皆様入国審査はされたのですか?」
「何それ?」
執事のベルマーチがこの国では入国時に審査が行われていると言ってきたので空から来たので知らんと答えておいた。
「空から?え?空にも厳重な対空結界がありますが?」
「ああ?……あれ?あの結界なら普通に通れたよ?」
「あぁ……そうなのですね流石は使徒様です」
そんな話をしていたら、視界に大きな都市が見えてきた。あれ?都市なのに壁が無いんだね?
リリアス教国の首都リリルメリアは島国という事もあり、外敵が居ないので他国のように城壁に囲まれてはいないという事らしい。
それと見た感じ道行く人は皆、表情に余裕があり活気溢れる都市という印象だった。
都市に入るにしても門番のような人も城壁の無いので、検問もなくそのまま竜車は都市に入ってしまった。
俺達の竜車は西側からリリルメリアに入ると大通りのような通りを東へと向かった。
大通りを暫く行くと正面に巨大なドーム型の白い建物が見えて来る。
「ん?あれは何かな?」
「正面に見える白いドームはラグアントリス神殿です。四大聖教の教会本部となっております。ちょうど都市の中心に位置していまして中心街も神殿を囲むようになっています。道に迷ったら神殿を目印にするといいでしょう」
「なるほど神殿があるんだね?その四大聖教っていうのは何?」
「そうですね、簡単に言うなら亜神様、
「はい!?」
眷属ならここにいっぱいいるけど?
やばい国に来ちゃったんじゃないだろうなぁ。
俺達を信仰?崇拝?する宗教って帰っていいですか?
「そろそろ城が見えてきます」
ん?前方を確認すると確かに塔のようなものが左右に2本立っている大きな城が見えてきた。
◇◇
城の前に竜車を付けると、慌てたように使用人のような人がわらわらと湧いて出てきた。ちょっと気持ち悪い。
とりあえず話の分かる3人を先に下ろすことにした。ルリ姫と執事のベルとメイドのアリアンヌだっけ?
「じゃ先に下ろすんで説明よろ?」
「ありがとう御座いました!」
「感謝します。使徒アリマ様」
「ご厚情痛み入ります」
そんな感じで3人を下ろしたらミッション完了かな?
あと、城には用事が無いので眷属探しに移動開始だ。
「それじゃ俺達はこれで!」
「ちょ!まだお礼をしていません」
「えええ!?このまま帰られては……姫様の命の恩人に対して我らからお礼させてくれませぬか?」
「え?別にお礼なんていらないよ?それに俺達を崇拝してるなら別に構わないでしょ?」
「えええ?」
「ではまた!」
無事ルリ姫を城に送り届けたので、もう城に用事は無い。
眷属レーダーによると城から南東に行ったところに、眷属反応があるので行ってみよう。
俺達は竜車を走らせ城の中の庭園から出ると南に移動し、目抜き通りを東に進むと一軒のアイテムショップを見つけた。店の名前は「封印の館」という古びた印象の店だ。
「この店に反応してるけど?何か知ってる?」
「ここはパチェッタの店じゃないかな?」
「そうですねこの店の感じは、多分パチェですね」
リリムとパーラは何か知っているようだ。
「パチェッタとは?」
「パチェッタは
まぁ百聞は一見に如かずとも言うし、俺は店に入ってみる事にした。
◇◇
店に入ると、中はアイテムショップというだけあって色々なマジックアイテム?魔道具が売っていた。
ただし、怪しいアイテムばかり置いてあるように見える。
普通のお守り系アイテムも売っているけど、例えば回復系のアイテムだと「歩くと休憩してもいないのに体力が回復してしまう呪いの靴」とか、「走ると魔力の回復速度が上がってしまう呪いのパワーウエイト」やら、「身代わりの指輪(自殺や即死ができなくなる呪い)」などの呪いに関する怪しい魔道具がいっぱい並んでいた。
あとは、異常系のアイテムやら即死系のアイテムなんかの危険極まりないアイテムまであるようだ。
大丈夫か?この店?
「あれれ?お客さんですの?」
「久しぶりじゃの!パチェッタよ」
「にゃ!?え?えええ?エリスロード様!!??何しに下界に??」
「新婚旅行じゃ!」
「ええ!?えええええ!!??」
「毎度じゃが紹介するのじゃ!この者が
「初めまして、アリマ・エリスロードといいます。俺がエリス様の婿です」
「ええええええええええ!??エリスロード様がご結婚されて??」
「そうじゃ♡ええ男じゃろ?惚れても構わんぞ?」
パチェッタと呼ばれた新たな眷属は身長は低く、髪の毛はピンク色で可愛いのだけどその特徴としては……体に似合わないものすごく巨大な胸が特徴だった。
うん、
エリス様の眷属では一番の巨乳で、エリス様並みのロリなのは確かだろうな。
「なんか言うたか?」
「いえ、エリス様はとても可愛くて素敵だなと」
「もう、照れるじゃろが♡」
まぁ、とにかく目的の眷属を見つける事が出来たのは僥倖だった。
あとがき
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